新NISAは25年も活況、気になる「他人の投資額と儲け」

 24年1月1日からスタートした新NISA。つまり制度スタートから1年以上を経過したわけだが、その成果はどのくらいだったのだろうか。

「24年末の個人投資家の保有が中心となる公募株式投信の残高は146.4兆円で、年初の106.4兆円と比較すれば約1.5倍弱。資金流入額では、23年の6.5兆円に対し24年は15.4兆円と倍以上なので、いかに個人のお金が新NISAを通じて株式市場に流れ込んだかが分かります」(経済ジャーナリスト)

 新NISAとは簡単に言えば、「つみたて投資枠」の年間120万円と「成長投資枠」同240万円の合計360万円まで非課税になる制度。それまでのNISAが年間160万円までだったから、株価が好調の折から利用しない手はないと、こぞって個人が株式や投信を購入したわけだ。

 では25年も好調は維持されるのだろうか。そこで今年の出だしの実績を見てみると、1月には個人向け投信への資金流入額が2兆円を超えたとの報告が出ている。それまでは最大で月1.8兆円だったので、過去最高。25年も新NISAの勢いは衰えるどころか増しているのだ。

 では個人投資家がこぞって新NISAを利用しているとして、みんないくらぐらい投資していて、その勝敗はいかに。

「2月12日に日本証券業協会が公表したところでは、新NISAでの1人当たりの平均投資額は、『つみたて投資枠』が47.3万円、『成長投資枠』が103.3万円だそうです。勝敗を分ける損益では、前者で82.8%の人が、後者で70.2%の人がプラスになったというので、現状で言えばかなり堅い投資方法ということになります」(同)

 また、そのうち前者の約4割、後者の約5割の投資対象が日本株で、前者は7割強、後者は8割強がいったん買ったら売らずにホールドしていたという。

 トランプ政権が打ち出した関税が、世界を振り回して市場が弱気になる中、日本株はさしたる下げもなく堅調を維持している。新NISAを通じた個人投資家の存在が、この堅調を支えているのだろう。

(猫間滋)

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