日本バスケットボール協会(JBA)の前会長・川淵三郎氏が、NBAレイカーズの八村塁が繰り広げていたJBA批判と男子代表のトム・ホーバス・ヘッドコーチ(HC)の指導力に対する発言にダメ出しした。
1月21日、JBAの改革を主導してきたタスクフォース解散の記者会見が行われた。このメンバーの1人、国際バスケットボール連盟(FIBA)のインゴ・バイス財務部長は「JBAは素晴らしい組織に生まれ変わった」と話したが、八村による発言については「トムほど素晴らしいコーチはいない。彼を獲得できるなら私も即契約します」と不快感を示した。
加えて川淵氏は完全にブチ切れ。「はっきり言って許されるものではない」とバッサリ切り、「協会は関係なく僕個人の意見」と強調した上で、「最低限の不満を言うのは個人の自由。協会そのもの、そしてHCそのもの批判するのはプレーヤーファーストとは関係ない話。断固許せない」と怒りが収まらない様子だった。
「JBA内部では、ただでさえ八村の一連の発言に『暴走しすぎ』という声が多い。FIBAと日本バスケ界改革に奔走した川淵氏が八村にダメ出ししたことで、現体制である以上は日本代表への招集は絶望的です」(夕刊紙記者)
ただ、FIBAはJBA改革は完了したとの見解ではあるものの、実際は道半ばだ。
「JBAの人材難が大きな問題。川淵さんはサッカー、三屋裕子会長はバレーボールで、そもそもバスケ出身者がいませんからね。選手、そして代表強化スタッフともミゾもある。今回の問題はまだまだ尾を引きます」(JBA関係者)
Bリーグは観客動員や日本各地でアリーナ建設が進み「今はJリーグより勢いがある」(夕刊紙記者)。しかし、それを牽引する島田慎二チェアマンでさえも、学生時代はサッカー選手で旅行会社などを経営していたビジネスマン。国内でのバスケ人気自体は右肩上がりだが、本当の改革はこれからだ。
(小田龍司)