1月16日に湘南ベルマーレのDF岡本拓也と京都サンガのDF三竿雄斗が、オーストラリア1部(Aリーグ・メン)の「パース・グローリー」への新加入が発表された。また、横浜MのMF水沼宏太もオーストラリアのクラブ移籍のため、チームを離れていることが報じられている。
昨年夏にはG大阪のMF石毛秀樹とベガルタ仙台のMF長澤和輝が、同じくAリーグのウェリントン・フェニックス(ホームタウンはニュージーランド)に、浦和レッズのDF酒井宏樹もオークランドFC(同)に移籍した。他にもオーストラリアの下部リーグからステップアップし、現在はパース・グローリーに所属するMF青山景昌、今季は得点王争いを繰り広げるFW指宿洋史など、オーストラリアで活躍する日本人選手は多い。ただ、そのほとんどがベテラン勢だ。しかも、青山を除いてすべて30代である。
では、そんなキャリアの終盤に差し掛かっている彼らが、オーストラリアを選んだのはなぜか。
「リーグ戦やカップ戦で過密日程が問題視されている日本や欧州の各リーグに比べると、Aリーグはスケジュールに余裕があります。それに、オーストラリアやニュージーランドの各クラブのホームタウンは、夏は暑すぎず、冬も寒すぎないのでコンディションを維持しやすいのです」(スポーツ紙サッカー担当記者)
また、オーストラリアは比較的治安も良く、教育レベルも高い。生活環境も日本人ならそこまでストレスを感じずに暮らすことができ、家族がいても移住しやすいとされる。
「Aリーグには体格に優れた大柄な選手が多く、日本人が武器とするテクニックやアジリティに長けた選手が少ないため、活躍できる余地があるんです。リーグとしてのレベルは日本より少し劣りますが、平均観客動員数が1万人に達するくらいの人気もある。そうした点などを総合的に判断すると、ベテラン選手にとっては魅力的なリーグと言えます」(前出・記者)
過去には三浦知良や小野伸二、本田圭佑といったレジェンドもプレーしていたAリーグ。ベテラン選手が海外で活躍できるチャンスがあるのは、日本サッカー界にとっても悪いことではないはずだ。