海外で語学を学んだり、旅行を楽しみながらアルバイトすることも可能な「ワーキングホリデー」。申請可能なのは18〜30歳(※一部の国は上限年齢が低く設定されている)で1年間の専用ビザが発給されるが、最近は出稼ぎ感覚で渡航する若者が増えている。
「日本の平均収入はここ30年まったく上がっておらず、欧米諸国に次々と抜かれています。そこで賃金の高い国でアルバイトしようとワーキングホリデーを利用するわけです。正規の就労ビザだと発給してもらうのは大変ですが、この制度ならビザを簡単に取得できます」(海外転職エージェント)
ちなみに経済開発協力機構(OECD)が発表した21年の世界各国の平均賃金ランキングを見ると、1位は米国の959万円(※米ドル表記のため、1月16日のレートで計算)で、日本は509万円で35カ国中24位。
ランキングの中でわが国よりも平均賃金が高く、かつワーキングホリデー制度があるのは16カ国。もっとも高いのは5位デンマーク(787万円)で、次いで6位オランダ(782万円)、8位ノルウェー(749万円)と続く。この他、ワーホリ先として日本人渡航者が多い国を見ると、オーストラリアが10位(726万円)、カナダが12位(719万円)、ニュージーランドが18位(603万円)となっている。
「でも、求人の多さや働きやすさならオーストラリア。アルバイトの最低賃金は、時給21.38豪ドル(約1912円)と高いからです。新型コロナの厳しい入国規制を敷いていた影響もあり、解除後も人手不足で時給がさらに高めに設定されています。飲食店でもフルタイムで働けば年収350万〜450万円は可能。仕事によっては500万、600万、それ以上も望めます」(前出・エージェント)
なお、高収入のバイトとしては、農園や食肉加工場、それと「マイニングジョブ」と呼ばれる鉱山関連の仕事があるという。
「いわゆるガテン系の仕事で体力的にはハード。ただし、オーストラリアは残業がほぼないため、そこは大きな魅力と言えます。物価高の国でも食材は意外と安いので食事は自炊中心、家はシェアハウスなどにして出費を抑えれば、1年で400万円貯金することも十分可能です」(前出・エージェント)
これだけ貯められるなら出稼ぎと割り切って海を渡る価値はありそうだ。