年末年始の帰省や旅行にマイカーを利用するこの時期に問題になるのは「タイヤ」ではないか。積雪地域に向かう場合は、スタッドレスタイヤに履き替える必要があるが、近年は代わりに「オールシーズンタイヤ」を選ぶ人が増えている。
オールシーズンタイヤはその名の通り、1年を通して使用できるタイヤだが、果たして本当に雪道を走れるのか、いまいち不安な人も多いのではないだろうか。実は選ぶ際に押さえておきたい重要なポイントがあるのだ。
自動車ジャーナリストが説明する。
「押さえておきたいのは『スノーフレークマーク』です。これは欧州で冬用タイヤとして認められた証しで、日本でも高速道路などで『冬用タイヤ規制』が出ていても走行可能です。かつては『ノーマルタイヤよりは積雪路を走れる』というレベルでしたが、近年は改良が進み、『安心して走ることができる』というレベルに達しています。すでに欧州では一般的になっており、普及率は8~9割に達するほど。オールシーズンタイヤであれば、いちいちタイヤ交換する必要もないため、日本でも年々シェアが伸びていますね」
金銭的なメリットもある。例えばノアやヴォクシーなどの205/60R16サイズの場合、ノーマルタイヤ4本とスタッドレスタイヤ4本、それにホイール4本と履き替え作業代を計算すると約25万円から30万円はかかる。一方、オールシーズンタイヤであれば、4本10万円前後の購入価格だけで収まるため、トータルコストは抑えられるというわけだ。
またミシュランなどのオールシーズンタイヤは、夏季の性能もサマータイヤと同等以上のスペックを持っているため、スタッドレスタイヤのグニャグニャしたグリップ感を予想していると、驚かされるだろう。
これまでスタッドレスの売り上げを考慮し、どこか及び腰だった国産メーカーも、近年は続々とオールシーズンタイヤ市場に参入している。「スノーフレークマーク」を目安に導入を検討してみるのもいいだろう。ただし、冬用に特化したスタッドレスに比べれば凍結路での制御性能は劣る。万能ではないので、あくまでも雪道での急発進、急ブレーキ、急ハンドルは厳禁だ。
(ケン高田)