大手寿司チェーンのくら寿司は9月12日、来年4月開幕の大阪・関西万博への出店概要を発表した。自社最多となる338席の客席、自社最長の約135メートルの回転ベルトを設置する大型店舗だ。外壁には廃棄予定の貝殻33.6万枚を再利用した素材を使用。店内はテーブルや柱に白木を使い、座席には畳シートを採用するなど〝ジャパニーズ モダン〟な仕様になっている。
メニューは持続可能な漁業に貢献するため、一般にはなじみが薄い低利用魚をすしネタとして提供するほか、万博参加国にちなんだ料理も用意。人工知能(AI)で餌やりのタイミングを調節するなど効率的に育成した「スマート養殖魚」のすしも目玉の1つだ。
スケールが大きく、バラエティに富んだメニューがウリになりそうだが、ネット上ではなぜか冷ややかな指摘が目立つ。その声は《「万博価格」でべらぼうに高いのでは》と価格を心配したり、《そんなに回転ベルトが長くて衛生面は大丈夫なのか》《レールが長いと料理の質も落ちそう》といったものだ。
「ネット民が不安に感じている点も理解できますが、回転ベルトの長さは大きなセールスポイント。回転ベルトの長さを強調した写真をSNSにアップすれば、バズる可能性は高いはず。情報番組などの取材も殺到し、人気が出ることは間違いないでしょう。ちなみに、くら寿司のグローバル旗艦店 銀座の回転ベルトの長さは国内外店舗で最長の123.14メートル。万博では、これまで進化させてきたAIなどを活用した衛生、管理システムを活用させるとしているだけに、10メートルほど長くても何ら問題はないでしょう」(情報誌ライター)
ネット民の不安をかき消すことができるか。くら寿司は勝負どころだ。
(石田英明)