「200万円もかけて『ポスター見えない』って200万円の価値どこにあんの? 誰が考えても不平等なので、これは絶対、許すわけにいかない」
東京都知事選に立候補した小林弘氏の怒りのコメントを紹介したのは、7月9日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」。今回の選挙では、過去最多となる56人が立候補したが、ポスター掲示板のスペースは48人分。結果、複数の候補者が「枠外」での対応を求められた。小林氏もその一人で、クリアファイルを使って掲示板の外側に固定したが、風でめくれて読めない場面も見受けられた。
これを受けてスタジオでコメントを求められた弁護士でコメンテーターの菊間千乃氏は「今の貼ってある状態を見てもポスターがちゃんと見えないような状態になってしまうとか、雨が降ったり風が吹いたりすれば、普通に貼れる方と比べて不利な状態に置かれているのはその通りだと思うので」と、小林氏の心中を推しはかり、都内各地のポスター掲示板に「空白」が多くあったと指摘。都内にポスター掲示板が約1万4000カ所設置されている点に触れてこう語った。
「すべての候補者が1万4000枚貼っているわけでもないので、だったら、早い者順で自分が特に貼りたい場所がそれぞれあるだろうから、そこを順番に貼っていくっていう形にすれば、こういう問題もないのかな」
菊間氏は、割り当てられた番号の位置にしか選挙ポスターを貼ることができないルールに疑問を呈し、「早い者順」を提案したのだが、SNSでは《早い者順にしたらトラブルが起きるに決まってる》《スタッフたくさん抱えている候補者が有利》《抽選にしている意味がないんじゃ…》などと反論が相次いでいた。
「そもそもポスターを貼る位置については、早い者順の要素もあります。というのも、都知事選の告示日の朝8時30分、立候補の届け出をする前にくじ引きが行われ、届け出の順番が決定。それに沿って貼る位置の番号が割り当てられていきます。小池百合子氏や蓮舫氏、石丸伸二氏ら有力候補が人目につきやすい中央の位置にポスターを貼ることができたのは、この朝イチの抽選で良番を引当てたからで、今回、貼る位置が“枠外”となってしまった候補者は、この最初の抽選に参加できなかったのでしょう。なお、ポスター掲示板をジャックしたNHK党はこのルールを逆手にとって、あえて抽選に参加せず、人気のない下段と両サイドを占有したと聞いています」
掲示板の枠外にポスターを貼ることになった候補者には気の毒だが、早い者順のルールが適用されればさらなる大混乱を招いたかもしれない。