アメリカで「テレビ版のアカデミー賞」と言われるエミー賞で、俳優・真田広之が主演とプロデュースを務めた「SHOGUN 将軍」が作品賞など最多18冠を受賞した。9月16日(日本時間)の授賞式で、作品賞を手にした真田はスピーチの檀上で「これまで時代劇を継承して支えてきてくださったすべての方々、そして監督や諸先生方に心より御礼申し上げます」と先人に敬意を示した。
9月17日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」でこの快挙を取り上げたものの、弁護士でコメンテーターの菊間千乃氏の発言に異論が殺到する事態となっている。
番組では、今回の快挙について、2つのポイントを解説。アメリカのエンタメ業界が多様性を重視するようになったこと。そして動画配信が増えて字幕で作品を見ることが当たり前になったことの2点を挙げた。これを受けてコメントを求められた菊間氏はこう語った。
「エンターテイメントに関しては、韓国の方が先に世界に認められたところがあったので、日本としては『置いていかれた』という感じがありましたけど、ものすごい逆転だな、というふうに思いましたし。すごいですよね」
この発言にSNSでは《え?韓国の方が先だって?》《黒澤明を知らないの?》《そもそもSHOGUNはハリウッド製作では?》《多額の税金をつぎ込んでる韓国と一緒にするのは…》などとツッコミの声が寄せられていた。
「たしかに韓国のエンタメ業界は19年に『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、21年にはネットフリックス配信のドラマ『イカゲーム』が世界的にヒットして90カ国で視聴ランキング1位に輝きました。番組でも、『SHOGUN』の字幕がアメリカで受け入れられた背景には、『パラサイト』と『イカゲーム』というアジア発の大ヒット作品があったからだと解説しています。しかし、1951年に『羅生門』でベネチア国際映画祭の金獅子賞を獲得した黒澤明監督をはじめ、世界で認められた日本人は数多く存在します。韓国のほうが先に認められ、日本がエンタメ後進国であるかのような発言には違和感を覚えざるを得ません」(メディア誌ライター)
日韓両国がアジアのエンターテイメント業界をリードして、ハリウッドに負けない良作を世界に送り出してほしい。