元NHK久保純子はNYで幼稚園教諭、元TBSに教育者がズラリ/人気女子アナ「第二の人生」を徹底追跡

 テレビ局を退社した女子アナの進路といえば、フリーアナが定石だったが、今後はレアケースになるかもしれない。大手不動産のOLから、旅行会社の役員まで、「華麗なるセレブ転身組」を追跡する。

「局アナ時代にいくら人気があっても、フリーに転身してテレビに出続けられるのは少数。そもそも番組の司会を任せるにしても、局アナの方が安上がりですからね。フリーアナが門外漢の女優業やグラビア活動を展開するのは、生き残り戦略の一環という見方もできます」

 こう話すのは芸能ジャーナリストの竹下光氏。厳しい“生存競争”が繰り広げられる中、芸能評論家の三杉武氏はこんな見解を示す。

「近年は異業種への転職が目立ちます。そもそもアナウンサーという国家資格があるわけではなく、30代40代と年齢を重ねてもテレビの第一線で活躍し続けられるのはほんのひと握り。女子アナの枠に捉われずに、第二の人生を謳歌している印象です」

 NHK時代は人気番組「プロジェクトX~挑戦者たち~」や紅白歌合戦の司会を務めた久保純子氏もその一人。

「NHKでは珍しい“アイドルアナ”として存在感を放っていましたが、大の努力家として知られ、取材する相手への事前のリサーチを怠りません。そんな彼女も結婚後は家族優先のスタンス。そのため、夫の転勤に伴い、すべてのレギュラーを降板して渡米した時はそれほど驚きませんでした。現在はニューヨークで幼稚園の教諭をしていますが、伝統ある『モンテッソーリ教育』の国際免許を取るために2年間猛勉強したとか。きっと今も、家族との時間を大切にしていることでしょう」(三杉氏)

 そんな久保氏は、ミュージカルのプロデュースにも携わるなど、かつての担当番組よろしく“挑戦者”であり続けているようだ。

 同じくNHKでは、「ブラタモリ」のアシスタントで人気を博した近江友里恵氏は21年春に大手・三井不動産に転職。職種のあまりの違いが世間をざわつかせた。

「近江さんといえば、『あさイチ』や『ブラタモリ』で見せる人なつっこい笑顔が印象的でした。その人気ゆえ、退局当時にはフリー転身が取り沙汰されましたが、最後の出演となった『あさイチ』で『今後は街づくりの仕事に関わる』と説明。その言葉通り、開発企画部で街作りに関わっています。『ブラタモリ』で知識人のタモリさんと全国各地を歩く中で、都市防災に関心を抱いたのかもしれません」(竹下氏)

 日本テレビの情報番組「スッキリ!!」で初代サブ司会を務めた阿部哲子氏も会社勤めをしている。芸能ライターが語る。

「阿部さんは07年に日テレを退社。フリーアナとして仕事を続けていましたが、シングルマザーとして子供を育てていくため、20年に東京・立川市にある不動産会社に広報担当として入社。オフィスが自宅から遠かったこともあって、昨年4月からデジタル地図を扱う会社に転職。PRイベントの司会を担当することもあるそうです」

 局アナのスキルはしっかりと生かされているようだ。

 TBSのOGの中でも、屈指のセレブとして知られるのが木場弘子氏だ。92年、中日ドラゴンズの与田剛選手(当時)との結婚を機に退社すると、4年後には千葉大学の特命教授に任命され、農林水産省の「食料の未来を描く戦略会議」の委員など行政の要職を歴任。22年には女性で初めてJR東海の取締役に就任した。

「元TBSでは、『ニュースの森』などで報道のエースとして活躍した進藤晶子氏(52)も母校の大学で教鞭を執り、元エグゼクティブアナウンサーの吉川美代子氏(70)も京都産業大学の客員教授に就任。多くの教授を輩出する一方、画家に転身した伊東楓氏や美容サロンで起業した林みなほ氏ら、多芸多才な面々がそろっている印象です」(芸能ライター)

 フジテレビも負けていない。「めざましテレビ」などで活躍した菊間千乃氏は、退社後の10年に司法試験に合格。弁護士として活動している。

「代表社員弁護士として主に企業の案件を扱う一方、情報番組のコメンテーターとしても活躍。ハキハキとした切れ味鋭い語り口は、番組だけでなく、企業のセミナーでも大好評のようです」(竹下氏)

 99年に入社した大橋マキ氏は在局期間わずか2年ながら、スポーツ情報番組で鮮烈な印象を残した。

「心身の不調を理由に辞職を申し出た時は上層部から何度も慰留されたそうですから、局内での評価も高かったのでしょう。現在は自然豊かな神奈川県・葉山町でアロマセラピストとして活動。イギリスで学んだ植物療法を地域の高齢者福祉に役立てている様子。昨年3月には22年ぶりにバラエティー番組に出演して話題になりましたが、同期入社で現在はフリーの内田恭子アナ(47)とは今でも連絡を取っているそうです」(竹下氏)

 大橋氏と同じく、健康的なショートヘアで愛嬌を振りまいたのは元テレビ朝日の前田有紀氏。03年の入社直後にサッカー番組「やべっちFC」のアシスタントに起用されるなど、将来を嘱望されたが、

「13年に海外留学を理由に退社した時は驚きましたが、局アナとしてのハードな生活がかなりのストレスになっていたようです。様々な習い事に挑戦する中、花に強い関心を寄せてフラワーアーティストとしての道を歩むことになったとか。留学先のイギリスでは、土にまみれてガーデニングの基礎を習い、日本での修業期間を経て18年にフラワーアーティストとして独立を果たしました。気になる花農家を見つけたらすぐに飛んでいくようで、フットワークの軽さは女子アナ時代と変わりません」(三杉氏)

 これからも百人百様の花を咲かせ続けてほしい。

(つづく)

エンタメ