日本ハムの“大失速”が止まらない。この10試合は1勝9敗。順位も5位にまで転落した。主な原因は主力投手の不調で、チームを引っ張ってきた先発三本柱(伊藤大海、加藤貴之、山崎福也)が6月に入り揃って調子を落とした。
「引き金を引いたのが新庄剛志監督というのがもっぱら。今季の日ハムは監督が自ら打順を決め采配もふるっていますが、投手交代についても監督の一存。つまりゲーム上では全権監督というわけですが、このあたりが悪循環を呼び始めているとの評判です」(日本ハム担当記者)
6月12日の試合から新庄監督は建山義紀投手コーチをブルペン担当に配置転換しているが、こんな指摘もある。
「監督は建山コーチについて『プルペンの気持ちもわかってもらって、また戻ってもらう。それだけのこと』と説明していましたが、通常、シーズン中に投手コーチをブルペン担当にするような配置転換は、投壊状態時のカンフル剤として行われます。つまり建山コーチは事実上の更迭と言ってもいいわけですが、これをきっかけに、さらにチームの失速に拍車がかかってしまった」(夕刊紙記者)
試合ごとに打順を変える日替わり打線も悪循環を招いた。
「今季の新庄監督は感覚的な采配で、当初はこの勘ピューターが当たり続けてきました。しかし一方で、投手リレーもなりふりかわまず投入するので建山コーチとズレが生じていたのも事実。“動物的な勘”と言えば巨人の長嶋監督が思い起こされますが、長嶋采配の後期ではヘッドコーチだった原前監督に打順を全て任せていた。ワンマン監督体制で好成績を残すのはなかなか難しいということです」(日本ハム担当記者)
日ハムはまだ若手主体なだけに、負け癖を盛り返すだけの力はない。就任して2季連続最下位の新庄監督が焦るのも理解できるが、改心しない限り浮上は厳しい状況に追い込まれている。
(小田龍司)