大阪・関西万博のトイレに使用される「残念石」が物議を醸している。
「残念石」とは400年前、大阪城を再建する石垣用に京都の木津川周辺の山から運ばれてきたもの。最終的に使われなかったことから「残念石」と呼ばれている。
これまで長らく放置されてきたが、万博を開催するにあたり、若手建築家チームから「400年もの間、光が当たることがなかった残念石の力を借りて、建築に命を吹き込みたい」という声が上がり、トイレの「支柱」として使用されることが決定した。
残念石は京都府木津川市が管理しており、トラックで京都から大阪まで運搬し、万博の閉幕後は、再び木津川市に戻される。だが、建設費は約6300万円かかるといい、プロジェクトが決定した直後から批判もあがっていた。
一方、残念石に着目した建築士ら3人は、「400年越しに大阪へ!『残念石』を『万歳石』へプロジェクト」を立ち上げ、クラウドファンディングで建設費を募ったが、集まった金額は300万円の目標に対して142万9500円で終了。率にして47%、支援者は141人にとどまった。
「実は『残念石』自体は京都だけでなく、大阪のあちこちに点在しており、大阪城にも並べられています。わざわざ京都から持ち込むことに疑問を感じる人も少なくありません」(社会部記者)
万博会場のトイレといえば、ひとつ2億円のデザイナーズトイレが8カ所も設置されることがわかって物議を醸したばかりだ。せめて今回の“残念石トイレ”が、完成後に残念なシロモノにならないよう祈るばかりだ。
(ケン高田)