R-1王者・あべこうじが青森で温泉オーナーになっていた!「目指すはテーマパーク化です」

 あべこうじさんといえば、コントや小道具に頼らない、優れた話術が持ち味のピン芸人だ。その外連味のない芸風に惹かれるファンも多く、2010年には「R-1ぐらんぷり」で優勝を飾っている。元モーニング娘。の高橋愛さんと芸能人夫婦としても知られるあべさんのもう一つの顔が、温泉のオーナーである。

 あべさんが経営する温泉は、青森県弘前市の岩木山麓にある「ハッピィー百沢温泉」(弘前市百沢)。2023年9月から休業していた温泉を、同年12月にあべさんが取得。リニューアルを経て、今年4月27日に営業を再開した。「おかげさまで、オープン以来ずっと目標来客数を超えています。準備期間中も多くの方にボランティアでリニューアルを手伝っていただき、ホント感謝です!」と語るのは、支配人を務める後輩芸人のOGAさん。当面は日帰り入浴のみの営業だが、近い将来、隣接する宿泊施設もオープンする予定だという。

 そもそも、なぜ青森なのか? じつはあべさんは2013年から青森朝日放送で毎週土曜日午前に放映している情報番組「夢はここから生放送 ハッピィ」のメインMCを務めている。「青森の方々に恩返ししたい。地域の人たちが元気になれるテーマパークのような施設をつくりたい」というのがあべさんの思いだった。あべさん本人の弁。

「百沢温泉は青森県を代表する岩木山のエネルギーを存分に味わえるところ。今後はコワーキングスペースやプチツアー、カフェなども展開していきたいですね」

 確かに、百沢温泉は青森県のなかでも稀有な温泉のひとつだ。温泉ソムリエの鎌田祥史氏が説明する。

「津軽地方は塩分の多い温泉が多いのですが、百沢温泉はそれに加えてマグネシウムやカルシウムなどミネラルが多く濁り湯なのが特徴です。日帰り温泉としては地域でも最古級で、古くから住民に親しまれていました。あべさんが再開させてくれたことを喜んでいる人はとても多い」

 気になるのは採算だ。あべさんの知名度もあって人手の問題はなんとかなりそうだが、経営的に持続可能なのか? 

「どちらかというと、お金のことより楽しそー面白そーというのを優先して始めました。いざスタートすると、これはかなりいくぞーって感じです。ただ、冬の事を考えるともっと加速しておかないとなーとも思っています」(あべさん)

 6月には車中泊ができるRVパークも敷地内にオープン。「ハッピィー百沢温泉」の試みは、地方の温泉施設の新たなあり方の試金石となるかもしれない。

(加賀新一郎)

*写真はあべこうじさん(左)とOGAさん(提供:ハッピィー百沢温泉)

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