ローテーション通りに行けば、4月5日のヤクルト戦(神宮)で今季2度目の先発登板となる、阪神の青柳晃洋。岡田彰布監督に直訴してマウンドに上がった開幕戦(3月29日、対巨人=東京ドーム)では、5回3失点で敗戦投手となった。
「3点を失った5回裏は途中、ボークを宣告されボー然とする場面もあり、完全に引きずったまま梶谷隆幸に本塁打を浴びていました。試合後も『なぜ(ボークを)取られたのかわからない』と納得のいかない様子でしたね」(スポーツライター)
今後の登板でもトラウマにならないか心配ではあるが、5回の投球では、それ以上に一見、深刻ではないかと思われる“欠点”をラジオ解説していた江本孟紀氏が指摘していた。
ボークを宣告された後、内野ゴロの間に1点を失い、なおも1死一塁の場面で門脇誠はボテボテの投ゴロになったのだが、捕球した青柳が一塁に投げた球は一塁手のかなり手前でワンバウンド。これに実況アナが「ちょっとボールを握ってなかったのかな?」と言うと、江本氏はこう解説したのである。
「いやいや投げられないんですよ。イップス。短いやつ(が投げられない)。さっきも下から投げたでしょ一塁に。アンダースローに多いんですよ。だからそういう意味ではね、この青柳崩すのはセフティーバントみんなやればいいんですよ。一塁に投げられないんですもん」
イップスはスポーツの動作などで、緊張やプレッシャーによって一時的に動作に支障をきたす現象。心理的な影響が大きいとされ、悩むアスリートは多い。
「青柳がプロ入りした当初から送球難であることは有名な話。昨季も複数回、一塁牽制の悪送球で自滅したパターンがありました。まだ克服できていないということですが、江本氏の解説に付け加えるのであれば、ワンバウンド送球は意図的にやっている可能性が高い。ワンバウンドさせたほうが確実に一塁手まで届くため、青柳がよくやるプレーです」(前出・スポーツライター)
そんな青柳にセフティーバント攻撃がかけられないのは、あまりに姑息すぎるからだろう。