能登半島地震でもSNSで標的になった日本人が「ニセ情報」にダマされやすい実態

 3月26日、読売新聞が日米韓の3カ国を対象に実施したアンケート調査結果を公開し、日本人が“嘘情報”にだまされやすい傾向にあることが浮き彫りとなった。

 同調査では、情報に接した際に一次ソースを調べると回答した人は米73%、韓57%、日41%となり、情報がいつ発信されたかを確認すると回答した人は米74%、韓73%、日54%といずれも日本が最も少くない結果となった。また、デジタル空間の構造や弊害を表す用語の認知率も日本が最も低く、3カ国それぞれで広がった偽情報について誤りであると見抜くことができた割合も日本が最低。偽情報へのリテラシーの低さが露呈した形となった。

 日本人が嘘情報に騙されやすい実態は、総務省のデータからも明らかになっている。昨年5月に公開された「国内外における偽・誤情報に関する意識調査」によると、ネットやメディアで流れる情報の審議を見分ける自信があるかの質問に、多くの世代で「自信がない」との回答が「自信がある」を大きく上回った。情報の審議を見分けることができなければ、自らが偽情報を拡散してしまい、混乱を拡大させてしまう可能性もある。

「能登半島地震では東日本大震災時に撮影された津波の動画を使用したものなど数多くの偽情報がSNSに出回りました。こうした投稿の多くはパキスタンやバングラデシュなど海外から投稿されたもので、インプレッション(表示数)を稼ぐために使われたとみられています。Xでは昨年7月にクリエイター向けの広告収益分配プログラムが始まり、インプレッションに応じて収益が得られるため、注目を集めそうなデマを拡散させる“インプ稼ぎ”が横行するようになりました。能登半島地震を通じて、海外からは『日本人はインプ稼ぎに使える』という印象を与えてしまいましたから、今後はさらに日本を標的とした偽情報が増える可能性もあり、十分な注意が必要です」(同)

 日本人は人がいいと言うべきなのか。

(小林洋三)

ライフ