日本サッカー協会が3月11日、W杯アジア2次予選で26日の北朝鮮戦が予定通り平壌で開催されると発表した。日本にとって13年ぶりに平壌で試合をすることになるが、戦績は過去4戦でノーゴールの2分2敗。そんな分の悪さに加え、厄介なことばかりが目立つ。その第一は、北朝鮮への定期便が一切ないこと。
「これまでは北京から平壌への便がありましたが、無期限で欠航中です。代表チームはチャーター便を利用する予定ですが、報道陣やファンサポーターは入国できる術がありません」(サッカー担当記者)
試合会場の金日成スタジアム(収容人員5万人)は北朝鮮サポーター一色になる。試合は午後5時キックオフで日本との時差はないが、テレビ中継局が白紙状態だ。
「ホームでの北朝鮮戦(21日=国立)は日本テレビで放送されます。しかしアウェーゲームは13年前の平壌での試合を中継したTBSが行う予定でしたが、まだ発表がありません」(同)
アウェーの試合では中継するテレビ局が開催国、つまり北朝鮮のサッカー協会へ放映権料を支払い、価格もホームの協会が決められる。
「相場では5000万円前後という価格が付いているようです。ただ、外貨が欲しい北朝鮮だけに、吊り上げようという動きもある。拉致問題がある上に日本とも国交がないとあって、テレビ中継をする上で多くの障害があります」(夕刊紙記者)
そのため前回の北朝鮮戦(2011年11月15日=W杯3次予選)は中継に関してはスムーズに行われたが、「今回は最悪、テレビ中継がないことも十分あり得る」(前出・サッカー担当記
「前回の平壌に招集された日本代表選手は全員、パソコンや携帯電話が持ち込めないなど、全てが異様な状況でした。揚げ句、1-0で当時のザッケローニ監督率いる日本代表は敗れている。今回も選手全員がトラブルに巻き込まれることなく無事に帰国できる保証はありません」(前出・サッカー担当記者)
何が起きてもおかしくないアウェー戦で、森保ジャパンが力を出し切れるのか心配だ。
(小田龍司)