メルカリ「スキマバイト事業」本格始動でも止まない不満「それより転売ヤー問題解決が先」

 メルカリは昨年11月に予告していた通り、3月6日から「メルカリ ハロ」を始動させて「スキマバイト市場」に参入した。

「空いた数時間や1日限りでもOK」といういわゆるスポットワークのサービスは急成長が続いているが、既にこの分野では「タイミー」が先んじている。そのため、メルカリの参入は「タイミー潰し」などとも言われたものだ。

「この分野では最大手のタイミーが昨年10月に累計でスポットワーカー数600万人を突破しました。業界全体の登録会員数は1000万人を超えており、3年で3倍に成長しています」(経済ジャーナリスト)

「メルカリ ハロ」の場合、既にあるメルカリのアプリに「はたらく」のタブが追加され、本人確認や銀行口座を登録しているユーザーなら、面接や履歴書不要で最短1時間からファミリーマートや日本郵便などで働くことができるという。

 だが、SNSには《地方では短期の求人は限られている》という利用者の声や、《履歴書不要はドタキャンのリスクが大きすぎる》という雇用者の不安の声も上がっている。さらには、《メルカリが提供すべきなのは、転売ヤーの出品取り下げや垢BANする作業なのでは》という批判もある。加えて投資家からの厳しい評価もあるようだ。

「メルカリの株価は、年初には2600円近くありましたが、3月8日の終値で2000円を下回ってしまった。理由は巣ごもり需要の終了と、同社の成長のカギを握るとされるアメリカのフリマ事業が奮わないためと指摘されています。いずれにせよ、同社の事業は大きな局面に立たされているのですが、今のところ、今回の新規事業に対する投資家の評価は高いとは言えないようです」(前出・記者)

 今後、スキマバイト市場でメルカリがユーザーや投資家の心を掴めるのか、注目されるのである。

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