ディズニーを象徴するキャラクターであるミッキーマウスの著作権が2023年末で切れ、パブリックドメインとなることが大きな話題となっている。24年からはディズニー以外の会社であってもミッキーの2次的創作が可能になるというが…。
「ミッキーがデビューした短編映画『蒸気船ウィリー』が公開から95年が経ち、著作権の保護が23年末で切れることになります。アメリカの著作権法は当初、保護期間を14年間と定めていましたが、同作品の保護の終わりが近づくたびに期間が延長されたため『ミッキーマウス保護法』とも呼ばれていました。ただ、期間の度重なる延長には専門家らからも批判の声が相次いでおり、ついに『蒸気船ウィリー』の著作権保護は終わりを迎え、同作品に出演しているミッキーのみならず、ミニーも自由な2次的創作が可能になるのです」(フリージャーナリスト)
実はミッキーよりも一足先に2022年に「くまのプーさん」の原作の著作権が切れていて、「プー あくまのくまさん」という2次的創作ホラー映画がイギリスで制作、公開されている。今後、ミッキーもこの手のB級映画に「出演」することになるのか。
「結論から言ってしまえば、かなり微妙です。著作権が切れたのはあくまで『蒸気船ウィリー』に出演するミッキーであって、その後に公開された作品で顔や体型などリニューアルしているミッキーには作品ごとに著作権がありますから、最新のミッキーの姿をそのまま使用するのはアウトです。また、ディズニー社は『ミッキーマウス』という名前を世界で商標登録しているので、著作が切れたあとでもその名前を使用することは出来ないと、同社は主張しています。ただ、ミッキーが2次的創作で登場すれば話題になることは間違いないので、どこかの映画制作会社が思い切ったことをしてくる可能性はあるかもしれません」(前出・ジャーナリスト)
なお、日本における「蒸気船ウィリー」の著作権はすでに切れているとも言われているが、いまだにディズニー以外でミッキーが登場する作品は制作されていない。果たして、「プー あくまのくまさん」のような「ホラーのミッキー」は登場するのか…。
(小林洋三)