高齢ドライバーに「引っ越し」のすすめ、「news23」コメンテーターの提言が物議

 TBSの情報番組「news23」のリニューアルに、視聴者からは「やはり失敗」「山本恵里伽アナを戻して」と大ブーイングが寄せられている。
 
 批判が集中したのは9月28日の放送。時事ネタに強いお笑い芸人・プチ鹿島と実業家の薄井シンシア氏をコメンテーターに招いて、高齢ドライバーの問題を取り上げた。番組では、75歳以上の運転免許返納者数が、東京で東池袋自動車暴走死傷事故が起きた2019年の35万428人をピークに減少傾向にあると解説。自主返納をためらう理由で最も多いのが「生活に不便(68.5%)」とした。

 コメントを求められた薄井シンシア氏は「車を奪われるっていうことはある意味では自由がなくなると思うんです。みなさん便利とか、今の生活を現状維持したいと思うんですけど、ここは現実的になって、私も含めて高齢なんですけど、高齢の私たちが今の生活を維持すればするほど若い人たちに負担がかかっちゃうんですね」と、事故のリスクについて言及。「立ち止まって、本当に便利を求めるのかっていうことを考えていただきたい」と提言した。

 これにプチ鹿島が「じゃあ、明日からの足はどうするんですか?生活の足はどうするんですか? と言われた時にそれはやっぱり個人の家庭の問題なんですか?」と尋ねると薄井シンシア氏はこう答えた。

「引っ越しということはみなさん考えないですか?」

 共演者が「引っ越し?」「場所を変える?」「交通の便がいいところ…」と反応する中、薄井シンシア氏は「高齢の人ってこれから元気になることはないんですよね。これからどんどん弱くなっていくだけだから、どっちかっていうと元気な時に新しいところに行って、新しい生活の基盤を作ったほうが合理的じゃないかな」と提案した。

「事故リスクの高い高齢ドライバーに対して薄井シンシア氏は『引っ越し』をすすめ、プチ鹿島さんは『生まれ育った土地への情もある』と地方に住む高齢者を気にかけていました。実際、高齢者が新たに賃貸契約を結ぶのは容易ではありませんし、金銭的な問題も出てくるでしょう。SNSでは《軽々しく引っ越しって…》《現実を知らないのか?》といった意見が寄せられ大炎上。薄井シンシア氏は30歳頃から海外で専業主婦を務め、47歳で再就職。そこから日本に戻ってホテル営業開発会社の代表になったという異例の経歴の持ち主。日本の地方の現状が理解できていないのも当然かもしれませんが…」(メディア誌ライター)

 運転免許を返納した高齢者の生活の足をどうするか。政府や自治体の対策に注目が集まりそうだ。

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