アメリカや欧州各国からの訪日観光客に人気なのが茶道体験。最近は、Jリーグ1部のヴィッセル神戸に所属する元スペイン代表FWのダビド・ビジャ選手も茶道を初めて体験し、その奥深さに感銘を受けたそうです。
そこで今回、ご紹介する検定は「茶道文化検定」。茶道の歴史や文化、茶人、お茶の製法など、幅広い知識が学べる検定です。
茶道と聞くと、決まりごとばかりでつまらなそう‥‥というイメージを抱く人もいると思いますが、実はそんなことはありません。
茶道とは、人生哲学や成長マインドを育む「禅」のようなものだと思っていただいて結構です。
ちなみに私の場合、飲み物としてのお茶は「緑茶より麦茶」派で、もともと茶道にはほとんどなじみはありませんでしたが、今では茶道のマインドに触れることができて心からよかったと思っています。
少し前置きが長くなりましたが、実際に例題を見てみましょう。
〈問1〉中国の唐の時代、文筆家の陸羽(733年~804年)によって、初めて中国から日本に持ち込まれたとされる茶の知識書は①茶経、②大観茶論、③宣和北苑貢茶録、④茶疏のうちどれ?
〈問2〉「まあ、お茶でもお飲みなさい」という意味の禅語は①清坐一味友、②無事是貴人、③室閑茶味清、④喫茶去のうちどれ?
この検定の難易度レベルは4級~1級となっており、2級まではマークシート式、1級はそれに記述式の問題が加わります。例題の答えは〈問1〉が①、〈問2〉が④となっています。
試験開催地は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡など全国主要都市で、私は3級と2級に合格していますが、正直、けっこう難しかったですね。
前回試験の合格率は2級が44%、1級にいたってはわずか12.5%でした。
しかし、前述のように、茶道では禅語も学ぶことができるため、私生活やビジネスにおいて役立つことがたくさんあります。
例えば有名なところだと、「日日是好日」。黒木華さん主演の映画のタイトルとしても有名ですが、この禅語は「ありのままに生きれば毎日は新鮮でよい1日になる」という意味です。
報酬や評価、マネジメントなど仕事で悩みを抱えている人には、「花開蝶自来」という言葉がおすすめです。これは読んで字のごとく「花が開いたら蝶は自然と飛んでくる」、つまりコツコツと自分を磨いていれば、おのずと結果はついてくるし、周囲からも評価される、という意味です。
歴史上、名を馳せた実業家たちの多くも、茶道の心得がありました。
阪急電鉄や阪急百貨店、宝塚歌劇団の創設者である小林一三、九州電力・西部ガスの礎を築き〝電力王〟の異名を持つ松永安左エ門と、例を挙げればキリがありません。
人生をより豊かなものにするために、検定試験を活用して茶道の世界を知るのもいいかもしれませんね。
(すずき・ひであき)