1月9日、米ウォルト・ディズニーのボブ・アイガーCEOが、従業員に対してオフィスに出社するよう指示したと複数の米メディアが報じた。かつてはリモートワーク先進国と言われたアメリカだが、在宅勤務を廃止してオフィスへの出社を求める企業も増えている。
ブルームバーグによると、アイガー氏は従業員に宛てた社内メールの中で、出社勤務と在宅勤務を組み合わせたハイブリッド勤務をしている従業員は今後、月曜から木曜まで週4日をオフィスで過ごすように求めているという。昨年、同氏は2年ぶりにディズニーCEOに復帰した初の会合で、なるべく会社に出社して欲しい旨の話をしていたが、従業員には実質的な出社命令が出されたことになる。
アメリカではリモートワークの普及率85%という情報もあり、多くの企業が在宅勤務を認めているイメージがあるが、昨年6月にはテスラのイーロン・マスクCEOが40時間以上オフィスで勤務しなければ退社してもらうと従業員に宣告したことが話題となるなど、脱リモートに舵を切る企業も少なくない。
「他にもアップルやグーグルは従業員に週3回は会社に出社するよう求めていますし、ゴールドマン・サックスやネットフリックスは出社勤務が通常となっています。こうした企業は例外と思われるかもしれませんが、昨年3月にマイクロソフトが発表した調査結果によると、調査に参加した企業のおよそ半数が週5日のフルタイム出社を求めていくと回答しているのです。なお、ネットフリックスのリード・ヘイスティングス会長は、リモートワークは会議でアイデアが出ないなどまったく良い点がないと全否定するなど、やはりコミュニケーションが取れないことを問題視する経営者が多いようですね」(経済ジャーナリスト)
今後、アメリカではさらなる脱リモートワークが進みそうだが、果たして在宅勤務率が全国平均で約30%(22年8月時点=内閣府調査)の日本も今後、追随することになるのか。
(小林洋三)