12月11日、香港のシャティン競馬場で「香港国際競走」が開催され、日本からGⅠ馬11頭を含む14頭が参戦する。国内のGⅠ戦も盛り上がりを見せているが、豪華メンバーがそろう海外競馬で、大儲けといこう。
12月11日には国内でもGⅠ阪神JFが行われるが、その前後に4つの海外GⅠレースの馬券が発売される。中でも注目は第8Rの「香港カップ」だ。
夕刊紙「東京スポーツ」でコラム「海外競馬解析」を執筆する競馬ライターの秋山響氏が解説する。
「日本馬が3連覇中で、しかもここ2年はワンツー決着。今年も強力な布陣なだけに4連覇は濃厚です」
パンサラッサ、ジオグリフ、レイパパレ、ダノンザキッドのGⅠ馬に加え、武豊騎手(53)との新コンビでGⅠ初制覇に挑むジャックドールは、英国ブックメーカー(12月1日時点)で2番人気に支持されている。
専門紙「競馬エイト」で海外競馬の本紙予想を担当する、増井辰之輔TMが話す。
「今年は秋の天皇賞で2着のパンサラッサと、4着だったジャックドールが人気を集めそう。前者は11月29日、坂路を軽快に駆け上がり、岡助手は『時計は予定より遅くなったけど、動きやトモ(後肢)の張りは天皇賞の時と比べるといいと思います』と納得の表情。後者も26日、CWコースでパワフルなフットワークを見せ、藤岡師が『サラッとやった。間隔が詰まるとダメージがたまる体質だけど状態はさらに上がっている』と話していました。両馬とも楽しみな存在です」
この2頭は夏の札幌記念でも対戦しており、1着ジャックドール、2着パンサラッサだったが、
「札幌も香港もコーナー4つの2000メートル戦。であれば、コース形態がプラスに働きそうなジャックドールやジオグリフ、レイパパレもおもしろそう。秋の天皇賞で9着に敗れたジオグリフの木村師も『(休み明けを)1度使って体もフィットしてきている』と好感触でした」(増井TM)
一方、毎日王冠4着のレイパパレは29日、坂路でシャープに脚を伸ばした。
「昨年は6着に敗れましたけど『去年はエリザベス女王杯を使っての参戦。今年はフレッシュな状態です』と、高野師は雪辱を期していました。もう1頭のダノンザキッドも馬っぷりはいいし、前走のマイルCS(2着)で突き抜けてきたように根性もあります。気性の難しさを見せなければ勝っても驚きませんね」(増井TM)
当然、外国勢も侮れない。注目は9戦8勝のロマンチックウォリアーだ。
「日本馬に割って入るならこの馬でしょう。デビューから5連勝し、香港4歳クラシックシリーズでも2冠を達成。さらにクイーンエリザベスⅡ世Cも制して、香港中距離馬の頂点に立ちました」(秋山氏)
今季は脚部不安から始動が遅れたが、前哨戦のGⅡジョッキークラブカップ(以下ジョッキーCC)を快勝。鞍上のホー騎手が「80%のデキ。12月が楽しみ」とコメントしていたように要注意の馬だ。
そのジョッキーCCの2着がトゥールビヨンダイヤモンド。ロシアンエンペラーは9着に敗れているが、
「前者はクイーンエリザベスⅡ世C2着の実績があり、前走は、やや余裕残しに映りました。後者も太め残りに加えて時計が速すぎた印象。馬体を絞った上で時計がかかる馬場なら侮れません」(秋山氏)
昨年、ロシアンエンペラーが11番人気で3着したのもそうだが、過去10年のうち9年でジョッキーCC組が馬券に絡んでいる。しかも近5年は同レースで敗れた馬が好走しており、特に18年はジョッキーCC6着馬が勝ち、9着馬が3着に食い込む3連単万馬券の番狂わせも起きている。
数々のGⅠ馬を押しのけるジャイアントキリングが起こりうるレースだけに、今年はGⅠ未勝利の武豊ジャックドールを中心に、ジョッキーCCで敗れたトゥールビヨンダイヤモンドからサヴィーナインまでの人気薄5頭を馬券に絡めるのも手だ。