植物性由来の代替肉を手掛ける米ビヨンド・ミートが発表した2022年第3四半期の純損益が、大幅な赤字となった。同社の製品は需要が鈍化しており、「ワシントン・ポスト」によると昨年の秋と比較して業界全体の売上も10%以上減少しているという。
「代替肉は大豆などの植物性原料を使用し肉の味や食感に近づけたもので、畜産がもたらす環境負荷を抑えられることやビーガンから注目されたこともあり、米マクドナルドやバーガーキング、ケンタッキー・フライドチキンなど大手飲食チェーンが次々と代替肉メニューを販売して大きな注目を集めました。しかし、多くの場合は期間限定で販売はすでに終了しており、代替肉の需要は急激に減速。ビヨンド・ミートの株価も19年のピーク時からなんと90%以上も下落しているのです」(フードジャーナリスト)
アナリストらによると今後も代替肉の需要は伸びず、売上の減少は続くと予想されているが、ネット上では《話題になったから1回は試してみたけど、また食べたいかというと微妙》《某大型ショッピングセンターで食べたけど、あの程度なら肉の代わりにはならないと感じた。値段も本物の肉より安いわけでもないし》など、厳しい評価が相次いでいる。
「確かに、味も値段も肉に代わるほどかというと、まだまだその水準には達していません。さらに言えば、代替肉にはヘルシーなイメージがありますが、ものによっては肉に味や香りを近づけるため、遺伝子組み換え食品や添加物、過剰な香料を使用しているケースもあり、むしろ体に悪いものも少なくないのです。まだまだ代替肉は新しい食材ですから、今後さらに研究は進められていくでしょうが、やはり現段階では爆発的に需要が増えることはないのかもしれません」(前出・フードジャーナリスト)
代替肉が当たり前に食べられるようになるまでには、まだまだ時間が掛かりそうだ。
(小林洋三)