日ハム・新庄劇場「2023年版」の見どころは「異色の3捕手」使い分け

 前中日のアリエル・マルティネス捕手の“新庄劇場入り”が報じられた。

 日本ハムの稲葉篤紀GMは否定していたが、全米野球記者協会に加盟する記者が記名ニュースで伝えており、「まだ発表できない」時期と見るべきだろう。
 
「稲葉GMは『まだ決まっていない』と言いました。決まっていないということは、交渉をもったということでしょう」(スポーツ紙記者)

 発表をためらったとされる理由は、国内FA。日本ハムはオリックスからFA宣言した伏見寅威捕手と大筋合意している。日本シリーズでヤクルト・村上宗隆を封じ込めた配球術はもちろんだが、伏見は「投手を引き立てるリード」で知られている。

 チーム防御率3.46と低迷した日ハム投手陣の救世主ともなりうる好捕手は、是が非でも獲得したかったはずだ。

「マルティネスは外野も守れます。今季は故障もあって出場試合数は少なかったですが、クリーンアップを任せられると思います」(前出・同)

 しかし、新庄剛志監督は「マルティネス獲得」の一報を記者団にぶつけられたとき、意味深なコメントを返している。

「ウワサによると、キューバの正捕手を目指していて。捕手、やりたかったんでしょ?」

 マルティネスの日本ハム合流は、大幅に遅れる可能性もある。キューバは来春のWBC大会に出場する。キューバ国内で代表チームが強化合宿を行うと決まれば、2月1日のキャンプインには間に合わない。また、WBC終了後に出国手続きを行うので、就労ビザの発行も遅れてしまうかもしれない。

 マルティネスの古巣、中日の関係者がこう続ける。

「2017年オフ、当時の監督だった森繁和さんが正捕手不在のチーム状況を憂いて、『外国人捕手を獲ろうか?』と言い出したんです。反対意見のほうが多かったんですが、マルティネスの獲得が決まりました。捕手にはスコアラーとの打ち合わせが長かったりと、日本独特の習慣もありますが、彼は捕手で試合に出たい一心で必死に勉強していました」

 新庄監督なら「捕手・マルティネス」も受け入れてくれそうだが、投手陣全体のことを考えると、言葉の壁がない伏見が優先となりそうだ。

 日ハム捕手といえば、宇佐見真吾がももクロの高城れにとの結婚で注目が集まっている。

 マルティネス、宇佐見、伏見。3人が揃えば、新庄監督は個性豊かな捕手を使い分けていかなければならない。

(スポーツライター・飯山満)

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