現在、日本中を巻き込んで大騒動になっている政治家と旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)のズブズブの関係。国際宗教研究所・宗教情報リサーチセンターによると、公称信者数は15年時点で56万人だが、すでに多くの信者が離れているとの報道もある。
「しかし、家族連合が持つ票の数は多く見積もってもその3分の1だと言われています。これは創価学会を支持母体とする公明党が7月の参院選で獲得した比例区の総票数618万票の約33分の1。それでも組織票としてはかなりの規模ですが、比例区で議席を獲得するまでには及びません」(全国紙記者)
そうした中、圧倒的な得票数を得て初出馬初当選を果たしたのが自民党の赤松健参議院議員だ。比例区候補者では最多となる約52万8000票を獲得しており、これはあの“ガーシー”こと東谷義和議員の得票数28万7000の約1.8倍にもなる。
ちなみに赤松議員はアニメ化もされた人気コミック「魔法先生ネギま!」や「UQ HOLDER!」などで知られる漫画家。ただし、同じ自民党から当選した今井絵理子議員や生稲晃子議員のような高い知名度はなく、永田町関係者にとっては衝撃だったようだ。
「赤松氏を支持したのは、アニメや漫画、ゲーム好きのいわゆるオタク層たち。選挙ポスターも貼らず、はがきも電話もしないという選挙戦でしたが、ネット上で投票を呼びかけるファンが相次ぎ、一種の祭りのような状況が起こりました。その結果、支持政党を持たない大量の浮動票の獲得に成功。当選はほぼ間違いないと見ていた自民党にとっても嬉しい誤算でした。3年後に予定されている次の国政選挙では各党とも彼らの支持を得ようと、漫画家以外にも声優やゲームクリエイターなどを候補者として擁立しようという意見も出ています」(同)
それで当選できるほど甘くはないと思うが、組織による強制ではないクリーンな票になることは確か。次の選挙では旧統一教会との関係が指摘された議員は苦戦が予想されるため、彼らの議席を奪って当選なんてケースもありそうだ。