第2次安倍政権においてスポーツ庁長官(2015〜2020年)を務めた経歴があるだけに、多くの視聴者がその発言に違和感を覚えたかもしれない。
8月10日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)が大きく取り上げたのは、旧統一教会話題。安倍晋三元総理を銃撃・殺害した山上徹也容疑者の母親が、近く会見を開く意向を示しているとして、母親の「旧統一教会に迷惑をかけて申し訳ない」という声を紹介。ところが、番組が母親の会見について教団側に取材すると、「全く知らなかった。報道で知る」という回答だった。
リモートで出演した紀藤正樹弁護士は、旧統一教会では「報告・連絡・相談」が絶対であるとして、「信者が勝手に動くというのはありません」「信者は自分の意思っていうよりは上司の指示に絶対」と語り、「全く知らなかったと旧統一教会側が言うのは正直言って、今までの統一教会のあり方から見て全く信用できない」とコメントした。
その後、紀藤弁護士は8月10日の午後3時から予定されている旧統一教会の会見についても「正直言って驚きましたよね。社会に迷惑をかけたって言うんであれば内閣改造の日にやるっていう感覚がわかりかねます」と述べたうえで、注目すべきポイントを解説した。
これを受けてMCの谷原章介が 「今日の統一教会の会見、これ注目ですね」と、前スポーツ庁長官の鈴木大地氏にコメントを求めると、「本当ですね。まあ、どういう人なのか、興味なくはないんですけれども、いちばん知りたいのは母親の背景ではなくて、本来は山上容疑者の背景。こっちが私は知りたい気がするんですね」と持論を展開。
この日は山上容疑者の母親や旧統一教会の会見について時間を割いていたのだが、
「安倍元総理の暗殺の後、こういう展開になるなんて思ってもみなかったですね。どっちかと言うと統一教会、旧統一教会の話、そっちに話がどんどんふれていくようなことがあって」と述べて、「なんかズレちゃってる気がしないでもないかな。山上容疑者よりも母親、暗殺事件の背景よりも宗教の話。こっちになってしまっていて、本当に知りたいこと、またこう、より戻してほしいなっていう気もしますね」と語った。
谷原は「物語が進んでいってしまっているような感じもしますけども」と理解を示し、「注目すべきは山上容疑者がなぜそういうことをしたのか。そしてその具体的な理由。それがわからないまま、ただ母親が謝罪ということを述べたとしても核心はわからないですからね」と締めくくった。
このやりとりに、SNS上では《ズレてるのは鈴木さんだよ》《山上容疑者の背景を調べたら統一教会の問題が浮上したんだよ》《暗殺事件の背景が統一教会だから掘り下げてるんでしょ》といった異論が噴出。前スポーツ庁長官の経歴があるだけに、“自民寄り”のコメンテーターと認識されてしまったのかもしれない。