今年も大きな盛り上がりを見せた夏の甲子園。芸能人の中にも高校球児だった者は少なくないが、とんねるずの石橋貴明もそのひとり。名門・帝京高校野球部出身であることは広く知られている。しかし、実はプロ野球の入団テストを受けていたことはあまり知られていない。
この秘話を明かしたのは、帝京高校野球部を昨年まで率いて、全国制覇3回、甲子園通算51勝を誇る前田三夫名誉監督だ。7月に発売された著書「いいところをどんどん伸ばす 帝京高校・前田流「伸びしろ」の見つけ方・育て方」(日本実業出版社)で石橋について次のように回想している。
《3年夏の東東京予選が終わったあと、なんと私には内緒で西武の入団テストを受けに行ったというのです。しかも、一次試験は「遠投」だったのですが、見事にクリアしたというではありませんか》
しかも、思い出作りの記念受験ではなく本気でプロ野球選手を目指していたという。
「甲子園常連校の部員なら身体能力を測る一次試験であればパスできる人は多いです。とはいえ、プロ野球の入団テストはハードルが高く、一次を突破するのも決して簡単でありません」(スポーツ紙野球担当記者)
石橋本人も21年4月11日放送の「日本生命 presents 石橋貴明のGATE7」(TBSラジオ)で当時のことを明かしている。所沢の練習場の室内ブルペンで行われた二次試験の際、投手志望だった彼は2軍の捕手相手にピッチングを披露。その様子を80年代の西武黄金期の礎を築いた根本陸夫監督が眺めていたそうだが、石橋は自虐的にこう語ったものだ。
「5、6球投げたら『もういい』って言われました」
自身にとってはプロ野球選手になる夢が絶たれた瞬間だったかもしれないが、この挫折がなければお笑い界のレジェンド・とんねるずは誕生していなかったかもしれない。