安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに、自民党議員と「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の接点が次々と浮上。一連の報道を受けて、8月2日には自民党の茂木敏充幹事長が会見で「これまで一切の関係を持っていないことが確認できた」と述べて、党としての組織的なつながりを否定した。
旧統一教会をめぐる報道について、ワイドショー関係者がテレビ各局の温度差を語る。
「昼の情報番組では、日テレ系列の『ミヤネ屋』が紀藤正樹弁護士やジャーナリストの有田芳生氏を積極的に起用して、霊感商法の非道ぶりや自民党との関係性を追及。MCの宮根誠司さんも旧統一教会とズブズブの自民党議員に批判的なスタンスを取っていて、視聴者からは《攻めてるな》《もっとやれ》と称賛する意見が相次いでいます。TBSもかなり積極的にこの問題を取り上げるようになって、8月2日放送回では紀藤弁護士が生出演して、旧統一教会の名称変更に関する手続きについて、かなり踏み込んだ意見を述べていました。その一方で及び腰と言われるのがテレビ朝日とNHK。とくにテレビ朝日では、12日に『モーニングショー』
8月2日に放送された「報道ステーション」(テレビ朝日)で、NHK出身の大越健介キャスターが、スタジオで茂木幹事長の会見にどんな見解を示すのか。視聴者の注目を集めたが、大越氏はなんとアメリカから生中継で出演。ニューヨークの国連本部で開かれている「NPT(核拡散防止条約)再検討会議」を取材している大越氏は、中継がつながると「はい、この会議の初日にいきなりちょっとしたニュースが飛び込んできました」と述べて、ロシア・プーチン大統領が同会議に寄せた「核兵器に勝者はいない」というメッセージを紹介。続けて「額面通りに受け止めるわけにはいかないのが本音のようです」と各国の反応について語った。
その後、会議出席者へのインタビュー映像が流れ、大越氏が中継で「核の問題にとどまらず、地球上には温暖化防止や新型コロナのパンデミック対策など、各国が利害を越えて取り組まなければならない問題が山積しているからです。その意味で今回のNPT再検討会議が地球規模の問題への取り組みにもつながる、小さくても価値ある一歩になるよう期待して見守りたいと思います」と述べてコーナーを締めくくった。
すでに前日から「NY出張」が伝えられていた大越氏だが、昼の「ミヤネ屋」や「ゴゴスマ〜GO GO!smile〜」(TBS系)が自民党と宗教団体の関わりを厳しく追及していたこともあって、《NPTも大事だけど、コロナ禍にわざわざNY行ってまで伝えることか》《大越キャスター海外逃亡中か》《海外に逃亡してでも旧統一教会には触れたくないんだな…》などと落胆するコメントがSNS上に殺到していた。
なお、この日のNPT再検討会議の特集は15分程度。メインキャスターをわざわざ現地に派遣するとは、番組制作費はかなり潤沢かもしれない。