「老後資金2000万円」貯めるちょっとグレーな蓄財術(4)長期投資では間に合わない!

 言うまでもないが、ここまで紹介した稼ぎ方を実践したら、確実に体を壊すことになる。豊かな老後のためなら死んでもいいというならアリだが、早死にしては老後を迎えられない。

 本末転倒になるぐらいなら、少しぐらい金融庁の報告書に耳を傾けても、バチは当たらないか。報告書には長期の資産形成法として、税制優遇のある「つみたてNISA」と「iDeCo」という制度を取り上げている。本当に長期投資によって2000万円稼げるのなら、試してもいいが‥‥。松田氏が解説する。

「中高年が今から2000万円を貯めるには、900万円を原資にしたとして、年率3~4%で運用し、20年後に1800万円ほどになるという感じです。世界に分散投資をする投資信託を買えば、これくらいのリターンは期待できますが、一方で、50代から始めても貯まるのは20年後の70代になるのが現実です」
 
20年後では間に合わないという方のために、短期で効率的な投資法もある。都内在住の自称・不動産投資家が、こっそり教えてくれた。

「簡単に言うと、不動産の『又貸し』です。私のやり方は、東京、神奈川、千葉、埼玉の事故物件を探し回って、借りることができたら、それを倍の家賃で又貸しします。無料掲示板『ジモティー』で募集すれば、すぐに問い合わせがきます。特に多いのはシングルマザー。収入が不安定で、保証人もいない。家賃滞納を嫌う大家に煙たがられて、住まいが見つからないんです。当然、転貸行為は契約で禁止されているので、不動産業者にバレたら契約解除されますが、問題が起きた場合、貸した居住者には『居候している』と言わせています。証拠なんてないので、追い出されることはほとんどありません」

 現在、3軒の又貸しをして、1カ月に15万円の投資で30万円のリターンを得ているという。実にオイシイ投資先だが、あまりにリスキーな「グレーゾーン」なので、オススメはできないが‥‥。

マネー