「老後資金2000万円」貯めるちょっとグレーな蓄財術(2)副業でガッツリ稼ぐ

 政府をアテにできない庶民は、どうすればいいのか。やってくる老後のため、2000万円を蓄財する方法を考えなくてはならない。

 先の報告書によれば、バリバリ働ける「現役期」は、

〈将来に向けて少額からでも長期・積立・分散投資による資産形成を行なう〉

 で、「リタイア期」に近づいたら、保有資産と収入・支出を再確認して、勤め人なら退職金の運用を行いつつ、まだ働けるなら働いて収入を確保。いよいよ「高齢期」で資産を取り崩していくが、心身の衰えもあるので資産管理をシンプルに‥‥。言うのは簡単だが、本当に実行できるのか。経済ジャーナリストの松田一雄氏はこう答える。

「運用や投資で資産を増やすことはできても、それには時間がかかるし、原資もそれなりに必要です。例えば、40代から毎月5万円の積み立て投資をしようとしても、普通の家庭ではそれほどの余裕がない」

 今年3月にSMBCコンシューマーファイナンスが発表した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査」では、「現在の貯蓄額がゼロ」と答えた人が23.1%。「1万円~50万円」が24.6%だった。つまり約半数は、投資するにも元手がないのだ。

 手っとり早く種銭を作るためには、本業以外に副業を持つしかない。そこで、 アサ芸が目をつけたのは、好きな時間に自由に働けるとして注目されている宅配サービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」。家庭やオフィスに飲食店の料理を届ける仕事で、16年に米国から上陸。都市部では派手な緑色の大きなバッグを背負って自転車に乗る配達員を見たことがあるだろう。

 数々の副業経験を持ち、ウーバーイーツで働いたことがあるライターの吉岡幸二氏はこう説明する。

「18歳以上なら年齢制限もなく、公式サイトで登録後、サポートセンターで仕事の説明を受けるだけで始められます。配達先の距離で変わりますが、基本料金はレストランで商品を受け取ったら300円、注文者に届けたらプラス170円。それ以外にも注文の多い時間帯には『ブースト』と呼ばれる配達報酬が上がるシステムもあります」

 いいことだらけのような印象だが、吉岡氏が続ける。

「杉並区で仕事をした時は1時間で1件と少なく、港区のほうが多いと聞きました。完全歩合なので努力しだいで稼げますが、外での待機を命じられ、冬は寒いし、自転車をこいで筋肉痛になるし、過酷な肉体労働は覚悟してください」
 
19時から22時まで配達したとして、吉岡氏の実績から換算すると1日3件で収入は約1500円。週5日、稼働しても1カ月の稼ぎは3万円。これだけではとても2000万円には手が届かない。だったら、もう一つ副業をするしかない。次に見つけたのは、派遣嬢の「送迎ドライバー」だ。

「仕事は終電後の深夜から朝までの時間帯が多いので副業に向いています。募集形態は業務委託とアルバイトに分かれ、委託は自分で車を用意して女の子を送り迎えします。都内の好条件の店なら、日給1万5000円と高収入が魅力。アルバイトは、店の所有する車なので事故が起きた時も保険など対応してくれますが、日給は6000円くらい」(吉岡氏)

 迫り来る老後を考えれば、迷うことなく「委託」を選択。睡眠時間は削るしかないが、プレイ中の女の子を待っている間に仮眠すればいいか。これなら月20日間勤務で月給30万円も稼げるので、大きく前進だ。

マネー