東京五輪の聖火ランナーに記念品として販売されたトーチが、フリマサイトなどで高額転売されていることが判明し物議を醸している。
トーチは実際に聖火ランナーが使用したものと同じ、長さ71センチ、重さ2.1キロの「桜ゴールド色」で、聖火リレーの参加者に大会組織委が記念品として1本7万1940円で販売したもので、ランナーや自治体が約1万本購入したという。
組織委は参加同意書や購入サイトなどで再三に渡ってトーチの「転売禁止」を周知させてきたというが、フリマサイトには1本数十万円から100万円以上で複数のトーチが掲載されている。中には「自宅に飾る場所がない」ことを出品理由にする者もいるが、組織はフリマサイトなどの運営会社に出品を削除するよう要請しているという。
ただ、ネット上では《なぜトーチは転売しちゃいけないのか。実際、あんな大きいものがいらなくなっても売れないって、困ると思うが》《転売なんて自由経済の中では当たり前のこと。生活必需品の買い占めはまずいけど、安く仕入れて高く売るというのは商売の基本》《きちんと購入したものであればそれはその人の財産なわけで、処分方法を制限されなきゃならん意味が分からん》《そもそも転売を本気で禁止したいなら、法的に何の力もない同意書だけでなんとかしようとする組織委が浅はかすぎる》などの声も見られる。
「東京五輪の大会組織委は6月いっぱいで解散されることが決まっているため、このタイミングでトーチの転売が増え始めたということは、当初から転売目的でトーチを入手した人たちも少なからずいたと考えられます。トーチが転売禁止にされている理由としては、転売目的で聖火ランナーに参加する人が現れないようにする意図などがあったと考えられますが、販売されたトーチにはシリアル番号などは刻印されておらず、転売する人物は特定できないといいます。本当に転売を阻止したいのであれば、組織委の対応は甘すぎたと言わざるを得ないでしょう」(フリージャーナリスト)
組織委の解散で今後はさらにトーチの転売が増えるかもしれない。
(小林洋三)