6月14日よりチケット不正転売禁止法が施行され、興行主の許可なく販売価格を超える転売が禁止となった。これに違反すると、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科せられるが、その効力を疑問視する声もある。
「人気の公演や大会のチケットを買い占め、高額転売して利ざやを儲けるダフ屋や転売ヤーが社会問題となっています。同法ではチケットを1円でも高く転売すると罪に問われる可能性もあり、これにより不正転売がなくなることが期待されています」(社会部記者)
ただ、それでもチケットの転売はなくならないという見方もあるのだ。
「たとえばジャニーズのライブチケットなどは、購入申し込みによる当選倍率が1.4~2.8倍とされおり、時に4~5倍にもなるそうです。需要に対して供給が下回れば、定価よりも高いカネを払ってでもライブに行きたいという人は絶対にいなくなりません。さらに、今回のチケット不正転売禁止法の重要な点として、“業としてチケットを転売している”ことが違法となることから、この“業”に個人が当てはまるかどうかが微妙。そのため、転売業者が売り子を使ったり複数のアカウントを利用して個人を装い転売を続けるケースや、SNSを利用した個人売買の根絶は難しいと言えます」(経済ジャーナリスト)
20日にはついに東京五輪チケットの抽選結果が発表されたが、抑止も含め、どこまでの効果があるのか。
(小林洋三)