フジテレビの情報番組「めざまし8」や不定期で「ワイドナショー」(日曜10時~)に出演する国際政治学者の三浦瑠麗氏が、6月17日深夜放送の「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)で、厳しい民放批判を繰り広げる一幕があった。
この日の放送では参議院選挙を前に、「ド~する!?ニッポンの政治」と題して、自民党、立憲民主党、公明党など主要9党の論客がパネリストとして登場。それぞれ国民生活に関する政策を発表すると、司会の田原総一朗氏が「NHK(党)、要するにNHKの受信料を払わないってことは、NHKをぶっ潰していくのね?」と確認。これにNHK党の浜田聡参議院議員は、現行の受信料制度の不公平さやイギリスの公共放送BBCも受信料廃止の方向で動いていることを伝えた。
この後、ビデオジャーナリストの神保哲生氏はNHKについて「中途半端な法人格」と指摘。人事や予算が国会の承認事項になっているがゆえに、「与党が影響力を行使しやすくなっている」と語り、「今のままでいいと思いません」とコメントをしめくくった。
続いて口を開いたのが三浦氏だった。
「本質的なのは、受信料が負担だっていうのはよくわかるんですけど、より本質的なのは民放がくだらない番組ばっか作ってて、しかも取材力もなんにもなくて、私がスタジオに行ってね、『いや、この数字間違ってるじゃないか』とかね。その放送事故的なことをいちいち、コメンテーターがですよ、修正しなくちゃいけない事態になってるわけですよ。だからNHKから予算をぜんぶ取っちゃって、取材力なくしちゃったら、日本人の民度が著しく落ちるので」
こう語ったところで田原氏が「僕はね、NHKの応援するわけじゃないけど、まともなドキュメンタリーってのはNHKしかないじゃん」と口をはさむと、三浦氏も「そうですよ」と賛同し、「取材体制がね、けっして潤沢な人件費とか取材のためのコストを払ってもらっていないので」と語った。
これに反論したのが、テレビ朝日政治部部長の藤川みな代氏。「一人一人の記者、ひとつひとつのチームはできる限りの取材をやっている、やろうとしている」と主張し、それでも「人数が少ないとか、準備時間が限られていることによるケアレスミスがあって、(三浦氏が言うように)そのご出演されている方にご指摘を受けたり、こちらのほうで確認してお詫びをするようなことも発生はしています」と説明。そのうえで「ただ、取材をしていないとか、勉強していないとか、ということではありません」と猛反論した。
NHK党が受信料制度の改革を訴え、その流れから民放批判を繰り広げた三浦氏。ネット上には《じゃあ出るなよ》《テレビでさんざん稼いでいるのに…》といった意見が見られたが、藤川氏が反論したように、「民放の取材力ゼロ」というのは確かに暴論だったかもしれない。