世界遺産の「法隆寺」が、所蔵品の修繕費や境内の設備管理費の寄付を募るためクラウドファンディングを実施しているが、開始からわずか半日足らずで目標金額である2000万円に到達。これにネット上では《新しいお布施の形》と称賛の声もあがっている。
「法隆寺は国宝や重要文化財を含む数多くの建造物や仏教美術品を所蔵していますが、国からの補助を受けられるのは国宝や重要文化財を修理する時だけで、それ以外のものの修理や整備は拝観料で賄ってきました。しかし、新型コロナウイルスの影響で2020年と21年の拝観者数は例年の半分以下にまで激減してしまったため、樹木の手入れや草刈りを先延ばし、指定を受けていない建造物や仏教美術品の修復を中止していたといいます。ただ『このままこの状況が続けば法隆寺を十分に護っていくことが危ぶまれる』ことから、クラウドファンディングで支援を募ることを決めたそうです」(社会部記者)
クラウドファンディングは6月15日の14時からスタートしたが、わずか半日足らずで目標額だった2000万円を突破すると、その後も支援は続き20日17時点ではおよそ7800万円の支援金が集まっており、
「これだけの支援金が集まっているということは、少しでも助けになりたいと考えている人が一定の数いるということでしょう。以前、オンライン賽銭を募った『カミムスビ』というサイトが批判を受け閉鎖に追い込まれましたが、本物の法隆寺がしっかりと目的を伝えて寄付をクラファンで募るというのは、確かに新しいお布施の形になるかもしれません。ただ、法隆寺は目標額達成後もクラファンを続けているものの、一部からは《必要以上に寄付を募るであれば財務状況を開示すべき》との声もあがっています」(経済ライター)
受付終了の7月29日までにどれだけの寄付が集まり、目標額を超えた額は一体何に使われるのだろうか?
(小林洋三)