外資撤退でロシアがポンコツ車だらけに!? 新車でもエアコン、エアバッグなし

 ロシアで新しいマクドナルドの「代替マック」がスタート。客の本音としては、店は復活しても味は失われたままのようで、化石燃料の輸出は経済制裁の抜け穴を通じて好調のようだが、ロシア経済は徐々にマイナス影響が目立ち始めている。車がその1つだという。

「ロシアのウクライナ侵攻前の1月の同国内の乗用車・小型商用車の新車販売シェアでは、アフトワズという国営企業が生産するラーダが20%ほどで、韓国のキアとヒュンダイが10%超え、以下ルノーの10%弱を筆頭に1桁%の会社が続くといった状況でした。その中、ルノーはアフトワズに68%を出資する親会社でロシアでの存在は大きかったのですが、そのルノーがロシアから撤退。するとロシアの友好国からだけでは部品の調達さえままならない状態で、少なくとも10年は時計の針を巻き戻した状態になりそうです」(経済ジャーナリスト)

 それが端的に表れているのが、ロシアで「国民車」として人気のラーダの新車だ。エアバッグはなく、エアコンもオプションになるというのだ。

「他にも普通の車では搭載されているはずの、急ブレーキを踏んだ時にタイヤのロックを防止するABSもなければ、車体が横滑りするのを防ぐ装置(ESP)や衝突時にシートベルトを搭乗者側に引く機能もないといいます。それでも72万7900ルーブル、日本円で約170万円するというのだから、お寒い状況が透けて見えます」(同)

 さらには、かつてソ連時代に生産されていたが、崩壊と共に生産が打ち切られた欠陥だらけのクラッシックカー「モスクビッチ」の生産を、ルノーが撤退した工場で再生産に乗り出すとしていた。

 キューバでは1959年の革命以前の、アメリカの半植民地時代のアメ車が走る光景がお馴染み。ロシアでは自国で車の生産はできるものの、同じくクラシカルでポンコツ車が多く走る社会となるようだ。

(猫間滋)

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