ファストファッション大手「ユニクロ」は6月7日、秋冬の定番商品などの一部を1000円値上げすると発表した。「フリース」は現在の1990円から2990円になるが、ネット上では困惑の声が広がっている。
「秋冬ものではフリースの他にも『ウルトラライトダウン』が5990円から6990円に、『ヒートテック超極暖』が1990円から2990円に、女性用『カシミヤクルーネックセーター』が8990円から9990円に引き上げられます。運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は4月の記者会見で『日本の経済情勢を考えると、安易な値上げはできない』と語っていたこともあり、大幅な値上げに衝撃が広がっています」(ファッションライター)
ユニクロの値上げ発表にネット上では、《ユニクロは安さが売りだったし、突然の1000円値上げはさすがに足が遠のく》《さすがに1000円は上げすぎじゃないか。受け入れられない人も多いと思う》など厳しい意見も多く、中には《この値上げは家計が受け入れられない》と日銀の黒田東彦総裁の「家計の値上げ許容度も高まってきている」との発言を引用したコメントも見られた。
「多くの企業が値上げに踏み切る中で、最近では《原材料やエネルギー価格が高騰しているから値上げは仕方ない》《従業員の給料を上げてくれるのなら値上げも歓迎》といった声も増えていました。しかし、ユニクロの場合は値上げ幅が大きかったということももちろんありますが、やはり黒田総裁の発言以降SNS上では『#値上げ受け入れてません』がトレンド入りするなど、値上げに対して否定的ムードが醸成されていたことも無関係ではないはず。黒田総裁は8日に『誤解を招いた表現で申し訳ない』と陳謝して発言を撤回しましたが、国民の怒りが収まる気配もありませんからね」(経済ジャーナリスト)
黒田発言のせいで、ユニクロを含め今後値上げをする企業は大きなダメージを受けるかもしれない。
(小林洋三)