「au」3月末の3Gサービス終了で懸念される“混乱”とは

 KDDI(au)は、他社にさきがけ3月いっぱいで通信規格「3G」回線のサービスを終了する。4月に入ると自動解約が適用されるが、利用者には高齢者も多いため「突然連絡が取れなくなった」などのトラブルが発生する可能性もある。

「3Gは第3世代移動通信システムのことで、2001年にNTTドコモ、KDDI、ボーダフォン(現ソフトバンク)から発売された『ガラケー』と呼ばれる従来型携帯電話やiPhone5などにも使用されています。現在は4Gが主流となっていて、次世代通信規格の5G対応機種も増えていることから、対応機種の少ない3Gを維持するには負担が大きくなっており、KDDI以外もソフトバンクは24年1月下旬に、ドコモは26年3月末でサービスを終了させることを明らかにしています」(ITライター)

 KDDIは18年には3Gの終了を発表し、4Gや5Gに対応したスマートフォンに乗り換えるようメールや電話でも呼びかけてきた。しかし、3G対応のガラケーを利用するのはIT機器にうとい高齢者が多いため、いまだサービス終了を知らない人も少なくないという。MMD研究所が3月8日に発表した調査によれば、フィーチャーフォン(ガラケー)をメインに利用している60~79歳に3Gのサービス終了を知っているか聞いたところ、16.1%が「知らない」と回答しているのだ。

「KDDIから3Gのサービス終了を知らせるダイレクトメールが送られているはずですが、高齢者の中には知り合いからではないメールは開かないという人も少なからずいて、そもそも3Gが何なのか、なぜ機種変をする必要があるのかが理解できていないという方も多いのではないでしょうか。このままでは4月に入った途端に音信不通になってしまう可能性もあるので、身近にガラケーなどの3G回線を利用する携帯を持っている高齢者がいたら、4Gや5Gのスマホに乗り換える手伝いをしてあげましょう」(デジタルライター)

 総務省の調査では、昨年12月末時点で3G回線の契約数は2074万件だった。KDDIもまだかなりの利用者が残っていると見られるだけに、混乱が心配だ。

(小林洋三)

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