首都キエフへと迫るロシア軍に対し、必死の抵抗を続けるウクライナ。世界中に支援の輪が広がる中、各国から義勇兵として参加する外国人が後を絶たない。
同国のドミトロ・クレバ外相は6日、米CNNの取材に外国人義勇兵が2万人に達したことを明かしている。その数はさらに増え続けており、なかには元軍人や傭兵といった軍隊に所属していた経歴を持つ者も多い。
なかでも今月上旬、世界最高峰の腕を持つカナダ人スナイパーがウクライナ義勇軍に加わったと複数の海外メディアが報じている。その人物の名は「ワリ(Wali)」。世界最強の狙撃部隊として名高いカナダ陸軍の「王立第22連隊」の元隊員で、イランやアフガニスタンでの豊富な実戦経験を持つという。
「この部隊には狙撃距離としては世界最長記録の3.54キロをはじめ、上位5傑のうち3人が所属。当初、ワリは記録保持者だと伝えるメディアもありましたが、どうやら別人のようです。ただし、同部隊に所属経験があること自体が腕利きの証。漫画ですがゴルゴ13の記録が2.5キロで、それに匹敵する技量の持ち主といえばいかにスゴいか理解できるはずです」(軍事ジャーナリスト)
ちなみにワリは現在40歳、先日までプログラマーとして働いていたことを本人が明かしているが、軍隊除隊後もシリアでクルド人側の義勇兵としてイスラム国相手に戦っていたとか。ロシア軍相手にはゲリラ的な活動が中心となるため、遠距離からの狙撃を得意とする彼に期待を寄せるウクライナ人も多い。
「実際、参加初日にロシア兵6人を狙撃したとの情報もあります。それだけに敵側から狙われるのは間違いないですが、ロシア側も指揮官クラスは彼のようなスナイパーから狙撃されるリスクが常にあるということ。狙撃は防衛戦でより力を発揮しやすく、ウクライナ側に彼のような超級の狙撃手が集まるのはロシアにとっても脅威でしょうね」(同)
一般には知られていないだけで、今のウクライナには彼のような戦場伝説を持つ猛者たちが数多くいるのかもしれない。
*写真はゼレンスキー氏のFacebookより