ANA機内食に登場!食べても罪悪感のない「夢のようなカツ丼」って何だ?

 全日本空輸(ANA)は3月1日から国際線ビジネスクラスの機内食をリニューアルするが、ANAの説明に曰く、「食べるのにためらう必要がなく、食後の罪悪感もない、夢のような」カツ丼が提供されるという。どういうことか。

「いわゆる代替肉が使われているのです。そのためカロリーは一般的なカツ丼の4割減の350キロカロリーで、脂質は半減。それに加えて食物繊維は5倍摂れるというから、正に夢のカツ丼ですね」(経済ジャーナリスト)

 コロナ禍は航空業界を直撃して、昨年度の搭乗者数は国内線で約70%、国際線で約95%も減少し、日本航空(JAL)と合わせて約8000億円という巨額な赤字となった。そこで給与カット、外部出向、経費節減などで歳出カットを行う一方、終わりが見えない戦いに、あれやこれやと“副業”にも勤しんでいる。変わったところでは待機中の国内線の機体を使った結婚式、ネットオークションへの部品やファーストクラスのシートの出品、バーチャル空間での旅体験プラットフォームのローンチなど。

 経営資源の活用はその都度話題にもなったが、そんな鉱脈の1つとしたのが「機内食」。昨年4月に“機外”でネット販売を始めてみたところ、あっという間に30万食以上が完売。その後、140万食以上を売り上げている。

 そして今回の夢のカツ丼に行き着いたわけだが、同社によると開発に半年を要したという。そしてキモは、ディーツという聞きなれない代替肉を使っていることだ。

「ディーツはおからとこんにゃくから作られていて、一般的な代替肉として知られる大豆ミートに比べて独特の臭みがなく、より肉に近い味わいで、しかも味付けを反映しやすいとのことです。開発したのはディーツフードプランニングという会社で、同社の商品にはやはり食べた後には罪悪感を感じてしまいそうなラインナップが揃っています」(同)

 ミートボールに唐揚げ、白身魚のフライ、フリッターチリソース。酒のお供にバッチリではないか。ついつい夜中に一人酒で食べたくなってしまうものばかりだが、当然これらも低脂質・カロリーで食物繊維が豊富なのは言うまでもない。

 ANAではこれを用いて機内食に耐え得るハイクオリティーなカツ丼を開発したのだ。必要は発明の母というわけだ。

(猫間滋)

ビジネス