テレビ局にとって負けられないのがドラマの視聴率合戦だ。ヒット作が出て映画化されたらお祭り騒ぎ。一方、どんなに内容が評価されても数字が悪ければ戦犯モノ。となると、是が非でも囲い込みたいのは「高視聴率女優」だ。各局が重宝する「女優序列」と札束が飛び交う引き抜きバトルをスッパ抜く!
ドラマに強いと言われるTBSが新春の1月2日に満を持して放つのは、18年にヒットした綾瀬はるか(36)主演の連ドラ「義母と娘のブルース」のスペシャル版だ。
「年末年始は各局が特番をぶつけてくる中、TBSにとって勝負どころで絶対に起用したい序列No.1の女優が綾瀬。2年前の正月にも『ぎぼむす』の新作を放送し、平均視聴率は16.0%を獲得した。幸先のいいスタートを切っています」(芸能記者)
数字が期待できるのはもちろんだが、TBSが綾瀬に託したのは、それだけが理由ではなかった。
「日本テレビで07年に放送された『ホタルノヒカリ』が出世作となり、恩義がある綾瀬は日テレとの関係も深い。そのため、TBSは新春ドラマに起用し、『局の女優』であることをアピール。綾瀬も『天国と地獄〜サイコな2人〜』(21年、TBS系)で、殺人事件の容疑者と心が入れ替わる女性刑事を演じたことで演技の奥深さを知り、『何でもやります!』と仕事モードに突入。フジテレビが14年ぶりに連ドラを任せたいと〝横やり〟を入れてきていることもあり、気持ちが冷めないうちに興味を引くような設定の脚本を次々と用意しているそうです」(芸能記者)
人気女優の囲い込みにまんまと成功し、ほくそ笑むTBSが次に狙うのは、5月に歌手で俳優の星野源(40)と結婚した新垣結衣(33)だ。
来年は小栗旬(38)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」への出演が決まっているが、先を見据えた民放側の囲い込みバトルが秘かに激化していた。
「結婚後初の主演ドラマを巡り、TBSと日テレがガチンコで火花を散らしています。TBSは『逃げるは恥だが役に立つ』(16年)での共演が馴れ初めということで、結婚発表直後にニュース・情報番組でドラマ映像を使いまくって蜜月関係をアピールした。『逃げ恥』の敏腕プロデューサーにも口説くよう指令が飛んでいます。一方、日テレは、18年に松田龍平(38)とW主演を務めた『獣になれない私たち』の制作スタッフが急接近。同作は視聴率こそ伸び悩みましたが、第37回向田邦子賞を受賞し、チームワークも抜群なんです」(芸能プロ関係者)
新垣にとってどちらも良好な関係だけに悩ましいところだが、喉から手が出るほど欲しい両局は、札束乱舞も辞さない構えだ。
「これまで新垣の1話あたりの出演料は130万〜150万円が相場。経費削減でドラマの制作費が削られ、主演女優の出演料が軒並み下げられる中、『結婚後初主演』を取れるなら金に糸目はつけない。綾瀬クラスの1話250万円でオファーすると、もっぱらです」(芸能プロ関係者)
大河の撮影は来秋まで続くとみられ、両局の綱引きは23年までもつれそうな気配だ。