「ブレてない」岸田首相が豪語も、相次ぐ方向転換に「ひよった」批判!

 岸田文雄首相が10月10日に出演したフジテレビの討論番組で、金融所得課税について「当面は触ることは考えていない」と発言。自民党総裁選では「金融所得課税の見直しなど1億円の壁の打破」として金融所得課税を一律20%に見直すことを表明していたが、あまりに早い方向転換に“ひよった”との声も上がっている。

「岸田首相は同番組の中で『成長なくして分配はない。金融所得課税を考える前にやることはいっぱいある』と語り、金融所得課税の引き上げはあくまで一つの選択肢であって『すぐやるんじゃないかという誤解が広がっている。これはしっかり解消しないと、関係者に余計なこの不安を与えてしまう』と弁明しました。しかし、8日の就任会見のときには『分配なくして次の成長なし』と力説していたばかりだったので、180度の方向転換に呆れた人も多かったのではないでしょうか」(政治部記者)

 発言を翻した背景には、株の暴落があると見られている。岸田首相が自民党総裁に選出されると、日経平均株価は12年ぶりとなる8日続落となり、岸田内閣発足後の1週間で700円超も大幅に下げた。これは金融所得課税の見直しを嫌気したものと見られ、海外メディアにの中には”岸田ショック”と報じるところもあったほど。ネット上では、《せっかく投資が盛り上がっているに、冷水を浴びせたらそうなるのは当然》《さすがに火消しに入ったか。8日続落はさすがに焦っただろう》《新しい日本のリーダーがいきなり日和って方針を曲げるってどうなの?》など厳しい意見が相次いでいる。

「岸田首相は12日に出演したテレビ朝日の番組でも、税制は『順番、優先順位が大事だ』と語り、金融所得課税を方向転換したことも『ぶれていない』と強調していますが、国民はそうは思っていないでしょう。JNNがおこなった世論調査では岸田内閣の支持率は58.6%と内閣発足時の支持率としては麻生内閣以来の低水準となったことが明らかとなっています。間もなく衆院選に突入するので、なるべくことを荒らげたくないのかもしれませんが、スタート直後にこんなにブレていては、これからの政策にも期待が持てなくなってしまいますよね…」(ITジャーナリスト)

 岸田内閣は幸先が悪い船出となってしまったようだ。

(小林洋三)

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