テレワーク・自粛生活が長引き、巷では「コロナ疲れ」などという言葉が流行しているが、その一方で通勤時の満員電車や人間関係の煩わしさが減り、ストレスフリーな生活を送っている人もいる。
医師によれば、ストレスのない状態は心身を若返らせる効果があり、白髪が「黒髪化」するケースもあるという。
「これまでの通説では、白髪が増えるのは老化による髪の衰弱が原因だと考えられてきましたが、必ずしもそうでないことが米コロンビア大学の研究で明らかとなりました。研究では、被験者たち(中年層)の日々のストレスレベルと髪の色を記録した結果、ストレスは白髪化を促す一方で、脱ストレスの状態になれば色素化(黒髪化)をもたらしました。ストレスと白髪の因果関係が科学的に証明されたのは初めてのこと。そのメカニズムを説明すると、白髪化する原因は髪の栄養が失われたからだと誤解されがちですが、実はその逆。毛包細胞にミトコンドリア量が増え、様々なタンパク質が異常活性することによって生じます。つまり、老化によって自然に生えてきたと思い諦めていた白髪が、ストレスを軽減させることで再び黒髪化し、若々しさを取り戻せるようになる可能性もあるのです」
また、自粛生活の影響で「ダイエット」に成功できた例も珍しくない。別の医師が言う。
「私が診ている40代のかかりつけ患者さんの中には、コロナ期間中に痩せたという人が多くいます。ある人(身長178㎝の男性)は、昨年まで90kgでしたが、現在は75kgまで落とし15kgのダイエットに成功。彼はコロナ前は毎晩接待などでビールを飲んでいましたが、居酒屋が営業自粛して仕事の酒席の機会もなくなったことで、体重が激減しました。摂取したアルコールは、肝臓内でアセトアルデヒドという有毒成分に分解されますが、その一方でグリコーゲン(糖質)が貯蔵されなくなることで空腹を感じるようになります。その結果、過多なオツマミや締めのラーメンなどをついつい食べてしまっていたのです。さらに、肝臓がアルコール分解で忙しくなると、脂肪の代謝が悪くなり贅肉がつきやすくなります。また、在宅勤務で自炊をするようになって食生活が改善されたり、通勤時間がなくなった分しっかり睡眠をとれるようになり、痩せたという人もいます」
もっとも、コロナ疲れによるストレスやコロナ太りで悩んでいる人もいるため、万人向けに効果が期待できるという話ではない。しかし、若返るチャンスがある以上、自粛期間中の間に日々の生活を見直してみてはいかが。
(橋爪けいすけ)