一方、打線以上の充実を見せているのが投手陣だ。先発ローテは常にハイレベルで5人以上をキープし、中継ぎ、抑えの陣容も抜きんでている。最もうれしい誤算は、開幕5連勝を果たしたガンケル(29)だろう。
「昨季は先発失格の烙印を押されて中継ぎに回されたこともあって、クビが既定路線やった。ストッパーのスアレス(30)のメジャー流出が避けられないと思ったフロントが保険のために残したんやが、予想外に交渉が成功してな、再度先発に復帰した経緯があるんですわ。助っ人投手は今季から加入した元メジャー左腕チェン(35)にメドが立って、昨季韓国で20勝したアルカンタラ(28)も1軍デビュー間近や。誰を使ったらええんか、現場もうれしい悲鳴ですよ」(球団関係者)
日本人投手としては、現在2軍調整中であるものの、栄えある開幕投手を務めた藤浪に再度、注目が集まっている。
「実はあの開幕投手起用は、対戦球団の日程が関係してました。2カード目、4カード目、6カード目、8カード目の相手が巨人と広島やったんです。そこにエースの西勇輝(30)と、カープキラーの秋山拓巳(30)をぶつけたかった。つまり、開幕カードはいわゆる『裏ローテ』(笑)。でも、今季の藤浪は去年までとは絶対に違うんです!」(トラ番記者)
そう断言する根拠には、昨年の秋季キャンプで藤浪が教えを請うた、あの大投手の存在があった。トラ番記者が続ける。
「臨時コーチとして、200勝投手の山本昌さん(55)が若手を指導しました。昌さんは引き受ける条件として、参加投手の映像を要求、それで予習をして個別指導したんやって。若手はみんな、コーチミーティング終了時に部屋の前に列をなして『昌さん、メシに連れて行ってください!』と懇願するほど慕っていたってな。ホンマの投手コーチの立つ瀬がないやん、とは思いますけど(笑)。中でも最も影響を受けたのが藤浪で、キャンプ終了後も自分から食事に誘い、アドバイスを受けていたらしいんですわ」
レジェンドの薫陶を受けたことで、今度こそ一皮剝けた姿を見せられるか。そうなれば、優勝街道は盤石だ。やはり興奮を隠せない、真弓氏に締めていただこう。
「今年は全ゲームが9回終了。8回を岩崎優(29)、9回がスアレスという勝ちパターンが決まっているだけに、今後も勝ちまくって中継ぎ、抑えが勤続疲労を起こさないかだけが心配といえば心配です。しかし、大山や藤浪を調整に回しても問題ないくらい投打の戦力に厚みが出てきた今の阪神には、まだまだ打つ手があります。このまま突っ走ってもおかしくないし、私はOBとして優勝を確信しています!」
16年ぶりのリーグ優勝、そして36年ぶり日本一のカウントダウンや〜‼
*「週刊アサヒ芸能」5月20日号より