ご存じの方は少ないかもしれないが、毎年4月20日は「青年海外協力隊の日」。実は、56年前の1965年のこの日に発足したことにちなんで記念日に制定されている。
街角に募集のポスターが貼られているのをよく見かけるが、これは途上国などに技術支援を行う国際ボランティア活動。独立行政法人国際協力機構によると、これまでに派遣したのは92ヶ国。隊員の数は4万5776名(※20年9月末現在)にのぼる。彼らは数年間の任期を終えて帰国した後、さまざまな分野で活躍しているが、その中には有名人としてその名が知られるようになった者もいる。
なかでも人気復活を果たした女子プロレス界でも、最大手のスターダムで活躍するジャングル叫女(きょうな・30)は元隊員のひとり。13~15年の約2年間、西アフリカのセネガルに派遣され、地元の小学校で体育教師として子供たちの指導に当たっていたという。
元海外青年協力隊員の経歴を持つ女子プロレスラーは彼女だけではない。00年代に当時の人気団体アルシオンで活躍した江本敦子さん(42)も12~14年に日本語教師としてブラジルに派遣された。ただし、こちらはプロレス引退後のことでキャリアの順番としてはまったく逆になる。
一方、『告白』や『贖罪』、『望郷』などの作品が映画・ドラマ化されるなどベストセラー作家として知られる湊かなえさん(48)も元隊員。96~98年にかけて南太平洋に浮かぶトンガで家庭科教師として現地の方への栄養指導を担当。現在も隊員たちに持っていってもらおうと本の寄贈を定期的に行っている。
また、映画監督として海外でも活躍するすずきじゅんいち氏(68)は、80年代にモロッコへ派遣。当時すでに映画の仕事に携わっており、同国保健省で避妊啓蒙のための映画製作を行っている。15年に主演のEXILEの黒木啓司が海外青年協力隊員を演じた『クロスロード』では監督を務め、公開時には湊かなえ氏が女優としてカメオ出演していることでも話題になった。
あと、吉本所属のピン芸人シューレスジョーをはじめ、SF作家の谷甲州さん、アナウンサーの小御門千絵(西日本放送)、中村康人(瀬戸内海放送)も元隊員の経歴の持ち主。
知られていないだけで実は隊員だったという有名人はほかにもまだいそうだ。