マーベラスの人気シリーズ「牧場物語」の最新作である「牧場物語 オリーブタウンと希望の大地」が、Nintendo Switchでは初となる完全新規タイトルとして2月25日に発売された。
「牧場物語」は1996年の1作目発売から20年以上続く人気シリーズで、“牧物”の通称で親しまれてきた。同シリーズは、プレイヤーが牧場を運営し、野菜や果物、動物たちを育てるなどのスローライフを楽しむ“ほのぼの生活ゲーム”であり、老若男女誰でも楽しめる要素が長年の人気を裏づけている。今回発売された新作では、ある設定が《今の時代にあっていてすごい!》とネットで話題になっているようだ。
最新作はシリーズ最大級の広大な土地で、より自由度が高くなった牧場生活を楽しめるのだが、自由度が高くなったのは牧場運営においてだけではない。ゲームをプレイする主人公のアバター設定がより細かく、自分好みの見た目にカスタマイズすることができ、選んだ性別が男性であっても、女性向けの髪形や服装、女性ボイスを選択できる。その初期設定はゲーム内に登場するビューティーサロンで随時変更も可能だ。
さらに、ほのぼの生活の中では、登場人物との「仲良し度」をあげることで恋愛イベントが発生するが、これは異性間に限ったことではない。男性同士であっても、女性同士であっても、最高レベルまで仲が深まれば生涯のパートナーになることができ、同性同士でも子供を授かることもできる。
この自由度がより高くなった設定に、プレイヤーたちからは《性的マイノリティへの配慮がすごすぎる!》《同性婚がゲーム内で叶うのは最高、性別にとらわれないほのぼのライフが楽しめる》《なりたい自分になれるの神ゲーすぎだろ》と称賛の声があがり、注目度が高まっている。
「実はこの“同性婚”要素、実装は今作が初めてではなく、2019年に発売された同シリーズのリメイク版にも盛り込まれ、当時も少し話題になりました。昨年大ヒットした任天堂の“あつ森”も、前作までは男性プレイヤーがスカートを履くと、登場キャラから『ちょっとビックリやけど…』と違和感のある反応をされていましたが、新作では男性が女装をしても違和感を抱かせる演出がなくなったことで、LGBTへの配慮がアップデートされたと評判でした。ゲームの中の細かい要素ですが、手に取ったプレイヤーのジェンダー観とのズレを感じさせない配慮が求められているのかもしれません」(メディアライター)
従来のゲームでは、初期設定で最初に性別を選ばせるのが定石であったが、今作は容姿をつくる段階を終えてから性別を選ぶことが出来るそうだ。性別の概念にとらわれずにキャラクター設定を楽しめることの斬新さが評価されているが、これからのゲーム業界では当たり前になっていくかもしれない。
(浜野ふみ)