5月7日、任天堂は2019年度決算短信を公表。Nintendo Switch用ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」の世界累計販売本数が1177万本に達したと発表した。といっても、この数字は3月20日の発売からわずか12日間のデータなので、実際の数字はかなりの上積みがあるはずだ。
発売開始からゲーム機本体が各地で品薄になり、攻略本の売上げも23万部を突破するなど、コロナ禍で連日話題を提供しているこの大ヒットゲームソフト。遊び方はというと、プレイヤーが無人島の住人になりきり、はじめは何もない島でローンを組んで家を建てたり、畑を作ったりと自分だけの島をクリエイトしていくというもの。家具や洋服などを購入することもできるが、オンライン通信機能を使って、現実世界の知り合いと“フレンド”となって、お互いの島を行き来するのも大きな楽しみのひとつだ。
「世界的ヒットの要因のひとつが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)。多くの国で外出制限がかかり、知人や恋人と実際に触れ合うことができなくても、『あつ森』の世界ではスローライフを満喫しながら、一緒に海や夕陽を眺めたりすることができますからね。フレンドとデートを楽しみ、はては結婚式まで挙げてしまうカップルもいるなど、まるで現実世界のような過ごし方をこの仮想空間で楽しんでいますよ」(ゲームライター)
めいっぱい恋愛を楽しむにあたって、身なりにも気を配りたいところだが、さっそく有名ブランドが「あつ森」の世界に参入を果たしたという。
「5月上旬、マーク・ジェイコブスとヴァレンティノはゲームのなかで着用できるアイテムを公開しました。とくにヴァレンティノに関しては、今年の春夏の最新作が着られるとあって、ユーザーの注目を集めています。ゲーム内の洋服といっても、ロゴやフォルムなどかなり細部にまでこだわっており、今後はブランドのPRの場としても活用される機会が増えそうですね」(前出・ゲームライター)
この「あつ森」の歴史は古く、初代となる「どうぶつの森」(NINTENDO64版)が発売されたのは2001年。その紹介ページにはこんな一文があった。
《どうぶつの森はゲームを楽しむというだけではなく、ゲームという媒体を通して人と人とのコミュニケーションが持てる、というのが大きな特徴です》
この「初代版」ではオンラインでの同時プレイはできなかったが、手紙でやりとりをしたり、宝物を埋めて友人に探してもらったりと、ユーザー同士が楽しめる仕掛けが満載だった。期せずしてコロナ禍で人との繋がりが制限されるなか、より新しいコミュニケーションツールとして進化した「あつ森」は、まさにドンピシャのゲーム。なかなか海外にも出かけられないこのご時勢、最新のブランドファッションに身を包んで、友人の輪を海外に広げてみては?
(浜野ふみ)