プロ野球「内部崩壊」(1)広島不振の理由は緒方監督VS佐々岡コーチ?

 開幕早々、プロ野球各球団からキナ臭い話が聞こえてきている。目下は水面下でひっそりとくすぶっているが、いつかペナントを左右する火種へと発展する「爆弾」を持ち寄って、事情通たちが緊急集結。まずは4連覇を目指すあの球団内部が騒がしい。

A(スポーツ紙鬼デスク) それにしても王者・広島はひどいな。スタートダッシュ失敗どころか、9日からの本拠地ヤクルト戦は2夜連続の大敗など3タテを食らって、開幕から4カード連続の負け越しも決まった。

B(スポーツ紙若手記者) 試合中に号泣する女性ファンや「緒方辞めろ」などと罵声を浴びせる鯉党も数多くいました。現時点(4月18日)で5勝12敗の最下位とひどいドン底ぶりです。

C(民放局敏腕ディレクター) 開幕から低迷の最大要因は丸佳浩(30)が巨人へ移籍、精神的支柱の新井貴浩(42)も引退して飛車角が一気に抜けてしまったこと。これは間違いないですが、どうやらそれだけでもない。緒方孝市監督(50)と、佐々岡真司投手コーチ(51)の対立が表面化しているというんです。

D(プロ野球中継スタッフ) 佐々岡コーチは今季、2軍から1軍のメインスタッフに昇格。そのあおりを受ける形で、昨季までベンチにいた畝龍実投手コーチ(54)がブルペン担当に押しやられた。この人事を決めたのは松田元オーナー(68)ともっぱらです。何しろ佐々岡コーチはオーナーが推す次期監督候補。だからこそ帝王学を学ばせたい意向もあったのでしょう。ところが、年上でも意見の言いやすかった畝コーチと昵懇の間柄だった緒方監督としては、抑え込まれてしまう佐々岡コーチとのやり取りは内心おもしろくはないはず。春季キャンプ中からぶんむくれ、佐々岡コーチと露骨にギクシャクしていたという証言も多く耳にしています。

E(ベテラン遊軍記者) ああ、緒方と佐々岡の〝見えないバトル〟は担当記者の間でわりと有名な話になっているぞ。投手起用は全部、佐々岡に任せっぱなしで、意思疎通もほとんどないらしい。例えば、2日の中日戦で、7回表に長野久義(34)が本塁打を打って1点勝ち越した裏のマウンドに上がったのは、フランスア(25)ではなく、ルーキー・島内颯太郎(22)。相手ベンチの与田剛監督(53)が笑ったほどの佐々岡独断起用で、案の定の逆転負けだったな。

A 7日の阪神戦では緒方監督がついに会見拒否したけど、取材対応の悪さには地元メディアも以前から困り果てている。以前、緒方バッシングを掲載した地元紙にいまだ敵意をムキ出しにしているぐらいで、とにかくしつこい。試合後の会見だってビジターだとほぼやらないから、いわゆる〝ぶらさがり取材〟でボソボソとしゃべるだけ。このまま負けが続けば、一斉に全メディアの〝緒方下ろしキャンペーン〟が始まるだろうな。

D 対照的に丸を獲得した巨人はスタートダッシュに成功しましたね。原辰徳監督(60)が指揮官として再々復帰を果たし、チームのムードもガラリと変わりました。ただ、今回の1軍コーチ陣は経験者があまりにも不足気味。宮本和知投手総合コーチ(55)と元木大介内野守備兼打撃コーチ(47)、鈴木尚広外野守備走塁コーチ(40)、相川亮二バッテリーコーチ(42)はプロでの指導経験が今までまったくない。

E 水野雄仁投手コーチ(53)も巨人での1軍指導経験が過去にあるとはいえ、実に18年ぶりの復帰だからな。かなりのブランクが空いている。唯一の引き継ぎである吉村禎章打撃総合コーチ(55)も、過去のスキャンダル発覚を許してもらう形で球団に戻ってきているから、大きな顔はできない。原に対して〝物を申せるコーチ〟がほとんどいないってことだよ。つまり「全権監督」と言われる独裁体制に誰も文句を言えないわけだ。今後の暴走には注意だな。

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