系列店「ペッパーランチ」の売却やプリペイドサービス“肉マネー”の終了発表など苦境ばかりが伝えられたが、悪いニュースばかりではないようで……。
「いきなり！ステーキ」を展開するペッパーフードサービスが9月14日に発表した「2020年12月期8月度実績」では、8月の売上が前年同期比42.8％と昨年の半分にも満たなかったことが明らかになるなど厳しい状況が続くが、ある商品が売上を伸ばしており、期待を集めているという。
「今、同社で売上を伸ばしているのが、『いきなり！ステーキ』の全店舗に導入している『笑顔の見えるマスク』という透明マスクです。直近の月間販売実績は約1万3000枚だったといい、8月末にリリースされた『2020年12月期第2四半期決算説明会資料』では下期の施策としてマスクの卸売販売の強化を挙げており、ネットショップでは一番目立つ最上位に掲載するなど、期待度の高さがあらわれています」（経済ジャーナリスト）
笑顔の見えるマスクはそもそも従業員用に開発されたものだったが、今年1月からオンラインショップで一般販売を開始した。すると、新型コロナウイルス感染拡大を追い風に、2月末から急激に売れはじめたという。現在販売されているのはリニューアルが加えられた新型で、以前のものより軽量化し10枚入りで5280円（税込）と価格も抑えられている。
「このマスクの一番の特徴は口元がしっかりと見えることにあります。飲食店はもちろんのこと、会議などマスクをしたままでは喋りづらいシーンでも利用されており、テレビやユーチューブなどのメディアでも使用されているところをよく見かけます。とくに情報番組の街ロケでは、タレントの表情が見やすいこともあって大好評。『うちの番組は飛沫対策をしっかりやっている』というアピールにもなりますからね。今後、透明マスクはアフターコロナの新常識となる可能性も秘めていることから、業界関係者も売れ行きに注目しています」（前出・経済ジャーナリスト）
ステーキよりもマスクの方が売れているなんてことになる可能性も!?
（小林洋三）
