「いきなり!ステーキ」一瀬邦夫社長の辞任に飛び交う「遅すぎ!ステーキ」の声

「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスは8月12日、業績不振を理由に創業者である一瀬邦夫社長が辞任したことを発表した。後任には長男の一瀬健作副社長が就任することも明らかにされたが、これについてネット上では様々な意見が声が飛び交っている。

 邦夫氏は1970年に独立して「キッチンくに」を開業し、85年には後にペッパーフードサービスとなる有限会社くにを設立。94年には低価格ステーキハウスの「ペッパーランチ」を展開すると、13年には立ち食いスタイルの「いきなり!ステーキ」をオープンさせ急成長を遂げた。しかし、店舗急拡大による自社競合やアメリカ進出の失敗などにより業績が悪化し、20年6月には「ペッパーランチ」を投資ファンドに売却していた。

 ペッパーフードサービスは12日に発表した22年6月中間決算で純損益が8億6800万円の赤字となっており、当初は黒字化を予想していた通期の純損益も10億9000万円の赤字と大幅に下方修正されている。これを受け、「近年における業績不振の経営責任を明確にする」という邦夫氏からの申し出があり、受理したという。

 カリスマ経営者とも言われた邦夫氏だが、辞任発表にネット上では、《今さら?さすがに遅すぎステーキ。もっと前に辞めるタイミングはいくらでもあったのでは》《邦夫社長のワンマンぶりが悪い意味で何度も話題になっていた。もうちょっと早く辞めてたら違っていたかもしれないが…》《邦夫氏はアイデアもあるし情熱もある人だと思うけど、表舞台には出てきちゃいけない人だった》《「ペッパーランチ」だけでなく、「いきなり!ステーキ」まで人気店にした実力は本物だけど、どちらも衰退させてしまったのも実力だと思う》などの意見が寄せられていた。

「邦夫氏は『いきなり!ステーキ』の人気が急降下する中で、悪目立ちすることも少なくありませんでした。18年7月に『坂上&指原のつぶれない店』(TBS系)では、社員の番号点呼を社長が納得するまで続けるという朝礼風景が放送され《ブラック企業すぎる》と批判が殺到。19年12月には店舗に掲示された『社長からのお願いでございます』という張り紙は《売上減少を客のせいにしている》と物議を醸す事態に。また21年5月の社内報で社員に指南したステーキのカットの仕方が《堂々と肉の量をちょろまかせと言っていてヤバい》と話題になったこともありました。こうしたお騒がせぶりが度々表面化していたことで、辞任を予想する人も多かったのかもしれません」(経済ジャーナリスト)

 健作氏の元での再起に期待したい。

(小林洋三)

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