投手を代打に?与田ドラゴンズ「大迷走」の要因はベンチワークにあった

 12球団最速で「20敗」に到達したのは、中日ドラゴンズだった。7月26日のナゴヤドームでの阪神戦、救援陣が踏ん張りきれずに3−9と大敗を喫した。次節の広島戦で連勝したものの、周囲の評価は決して高くない。むしろ、「大丈夫か?」の心配の声のほうが広まっている。

「20敗を喫した後の対戦カードがやはり不振で最下位争いを繰り広げる広島だったから、救われたようなもの。中日は投打の歯車がかみ合わず、また、与田剛監督も試合後に自らの采配ミスを認めるような発言をしています」(スポーツ紙記者)

 その12球団最速となる20敗目を喫した試合後(阪神戦)、与田監督は「いろんな数字、負ければ当然、いろいろな話になっていくと思いますけど、我々はシーズンが終わるまでベストを尽くし…」とこぼしていた。「いろいろな話」というのが気になる。

 7月7日の東京ヤクルト戦でのこと。中日は延長10回、二死満塁のサヨナラ勝ちの好機をつかんだが、同日、試合出場登録した野手を全て使い果たしてしまい、ピッチャーの三ツ間卓也を代打に送った。本来の打順であるピッチャーの岡田俊哉を指して、「そのまま打席に立たせたほうが?」の声も出たが、問題はそんなことではない。

「岡田をリリーフで投入するとき、他の打順に入れる方法もありました。周囲が心配しているのはベンチ内のコミュニケーションです。与田監督の助言役は監督経験も豊富な伊東勤ヘッドコーチです。伊東コーチなら、野手を使い切ってしまうこと、延長10回の攻撃でピッチャーのところに打順がまわってくることに気づかないはずはありません」(球界関係者)

 中日は世代交代の真っ只中で、与田監督の采配は投打ともに「若手を育てながら」という方針に切り替えつつある。昨年オフ、敗因として挙げられたのがリーグワーストのチーム打率(2割4分8厘)で、「広いナゴヤドームにホームランテラス席を設け、得点を入りやすくするべきではないか」との声もあがっていた。

 しかし、外野フェンスの改造は、あくまでも経営陣の意見。与田監督から起死回生の妙案、若手選手たちの一本立ちの報告を聞きたいはずだ。与田監督の言った「いろいろな話」のなかに一軍首脳陣のテコ入れが含まれていないことを祈るばかりだ。

(スポーツライター・飯山満)

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