「何が起こってるのかわからんかった」
7月27日に放送されたラジオ番組「上沼恵美子のこころ晴天」(ABCラジオ)にて、現在の心境を明かしたのは関西テレビ業界の“女帝”こと上沼恵美子。7月24日に突如、最終回を迎えた「快傑えみちゃんねる」(関西テレビ)。不可解なタイミングでの番組打ち切りについて、一部スポーツ紙では、お笑いコンビ「キングコング」梶原雄太の降板をめぐる関西テレビサイドとの確執が報じられていた。
「今後の番組をどうやって盛り立てていくのか、制作側と上沼さんが話し合いの場をもうけたものの、いろいろと意見を出していく中で、上沼さんのほうから『辞めるわ!』と一方的に降板を申し出たそうです」(芸能記者)
この「ケンカ別れ報道」について、上沼は「こころ晴天」で猛反論。一連のニュースには目を通していなかったようで、冒頭の発言となったのだが、「マスコミの方が家の前に来て、今日聞いてビックリしたことがありまして、驚きました」としたうえでこう語った。
「(放送期間が)まる25年ということで、幕を閉じさせていただいた、その件について私と関西テレビさんが大変なケンカをしているという記事らしいんです。ちょっと(事実と)違うからビックリしたの。やっぱりこれは違うわ」
さらに上沼は「関西テレビさんには足を向けて眠れないです」「関西テレビには感謝しかありません」と、局側との確執や遺恨を真っ向から否定したのだった。
「番組終了の理由として、上沼さんはコロナ禍でソーシャル・ディスタンスを取らなければならず、従来の持ち味が発揮できないという点をあげていました。出演者たちが間隔を空けた状態だと、どうしてもただの“話し合い”にしか見えない。番組が25年前の7月に始まったこともあって、この7月を“節目”にしたかったようですが、それならば、なぜもう一週くらいガマンできなかったのか…。数日前まで、翌週31日のテレビ欄の『えみちゃんねる』の枠には『調整中』と表示されていたことから、局側にとっては予測不能の緊急事態だったことが伝わってきます。『ケンカじゃない』という主張は、あくまで上沼さんはそう認識しているということでしょう」(在阪テレビ関係者)
関西で活動する放送作家のA氏は、この上沼騒動について、「同じ毒舌でも、喧嘩上手だった“関西の帝王”とは番組の終わり方で大きな差が出てしまった」として、こう話してくれた。
「2014年に亡くなった、やしきたかじんさんも、実はMBS毎日放送とケンカをして人気番組を降板したことがあるんです。『たかじんONE MAN』という番組で、タイトル通り、たかじんさんのワンマンな振る舞いで高視聴率をマークしていました」
1998年4月にスタートした「たかじんONE MAN」は伝説の公開バラエティ番組だ。たかじんさんの傍若無人なトークで人気が高まるとともに、局内では過激すぎるトーク内容を問題視する声が聞かれるようになったという。また、番組スタッフの間でも不満がたまっていたのか、テレビ局を揺るがす大舌禍事件に発展してしまう。
「たかじんさんが、とある女性タレントの離婚騒動に関して、信じられない暴言を吐いてしまったんです。誰が聞いても“問題アリ”なトーク内容だったので、カットするのが当然なのに制作サイドはそのまま放送したんです。おそらく、それが番組スタッフによる報復だったのでしょう。その後、たかじんさんは名誉棄損で訴えられ、問題発言の責任の所在をめぐって、悪いのは“発言者たかじん”か、“カットせず放送した番組側”か、意見がわかれることになってしまったんです」(前出・Aさん)
番組サイドと衝突したたかじんさんだが、最後はきっちりと大人の対応で、“有終の美”を飾ったという。
「何度も話し合いを行い、最後にはたかじんさんが自分の責任を認める代わりに番組を降板したんです。納得できない部分もあったと思うのですが、最後はちゃんと総集編やゆかりのゲストを迎えて、最終回らしい放送で9年半におよぶ人気番組に終止符を打ちました。『さすが、西の帝王の器は違うなー』と、みんな言ってましたよ」(前出・Aさん)
喧嘩腰のトークで訴訟トラブルに見舞われながらも、きっちりと人気番組にふさわしいフィナーレを飾ったたかじんさん。そして突発的に番組を終わらせた上沼。“ナニワの視聴率男・たかじんの壁”はあまりに高かったということか。上沼には、視聴者をガッカリさせることなく、“女帝としての器”を作り上げてほしいと願うばかりだ。
(近田ラリー)